Erv's Letters index Text by Erv Yamaguchi


大切な瞬間 2005年1月19日 08:54

 私の日記を読んでメーカーが改心しなかった場合、それはメーカーの責任である。

 しかし、あなたが想像するように、メーカーは改心しないだろう。クラッター(情報混乱)という病気が原因である。

 ジャーナリストは、いつでも公平な報道を心掛ける。良識のある人間のプログや日記を読んでも、それは感じられる。しかし、ジャーナリストが行う公平な報道とは、せいぜい反対意見を紹介する程度であり、それを読む者は、真実は対極に位置する両極端な意見の中間のどこかに位置すると想像したあげく、結論は先延ばしにするか、適当な妥協案で我慢することとなる。更に私が1番ムカつくものは、“世論調査”である。世論調査は、いかにも公平を装っているが、多数派に対して安心感を与える以外、大した役割はないと言える。また、多数派は世論の変化で、正にアッという間に変化してしまう、いいかげんなものだ。

 私は複雑な世の中が嫌いだ。私は全てをシンプルにしてくれる救世主が好きだ。しかし、頭のいい(と言われている)人間ほど、物事を複雑にしやがる。そう、国内メーカーのマーケティング担当者などだ。恐らく奴らは、世論調査を片手に、色々と社内でごたくを並べては、新規プロジェクトを複雑化していくのだろう。私が思うに、彼らは、他人から攻撃されるのを極度に嫌うタイプの人間だと思う。従って、分厚い資料を武器に、ビクビクしながら色々と理論武装するのだろう。

 しかし、私の考えによれば、物事をシンプルにする人間は、最もタフな精神を持った人間である。そう、タフな精神、なんとも素晴らしい響きだ。
 逆に、弱音を吐くなど、想像するだけでヘドが出る。この複雑な世の中では、タフでなければやっていけないのだ。ドナルド・トランプ、ライダーで言えばアンソニー・ゴバードのことは尊敬している。シンプルなバカ、これが私の好きなものである。

 サーキットを走っていると、シンプルなバカに遭遇することがよくある。パドックでの会話はこの際どうでもよくなる。一緒に走っていて、何かむしょうに全てがどうでもよくなる位、快感を感じる時がある。そんな時は、自分のオートバイやライバルのオートバイや、タイヤの銘柄などもどうでも良くなる。続けて言えば、最も愚かしい“ミエ”などもフトンが吹っ飛んでしまう。

 私はこの瞬間が好きだ。

 そして、今年はこの瞬間を大事に生きていきたいと思う。北山さん、稲葉さん、山本さん、今年もヨロシク。




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