Erv's Letters index Text by Erv Yamaguchi


怠惰の見本 2005年6月23日 16:51

 書きたいと思うネタの内容が濃くなってくると、日記にアップしていいのか、レポートにしてまとめた方がいいのか、お悩み中のアーブ山口です。

 さて、昨年私は、11年ぶりにオートバイに乗った際、腰が痛くなってしまい、とても長時間はオートバイに乗ってられないといった調子だったが、最近この腰痛がひどくなってきて、今にもギックリ腰になりそうな気配がビンビンしてきたことと、4月にホーネットで転んだ際に痛めた右手首が、今だによくならないので、心配になって近所の整骨院に行ってみたところ、昨日と一昨日に別々の整骨院に行ったのだが、両方の先生共に、かなりバイヤー(やばい)と言われてしまった。
 こんな調子では、オートバイに乗ってサーキットに復活するどころか、日常生活を営むことすらできない状況で、特に仕事に差し支えるのがバイヤーな感じだが、トシをとってくると、体も色々とガタが出てきて、髪の毛も薄くなってくるし、いいことないな〜と言った感じだが、メリットとしては、自分自身が無理をしないので、あらゆることをアウトソーシングしたり、従業員の方達に押し付けたりするので、自分はマネージメントのみに集中しようという気持ちが高まってくることがあげられる。
 逆に言うと、若い頃は、何でも自分でやろうとするので、いわゆる器用貧乏になりやすく、また、雇われている身だと、雇用者と衝突もしやすかった訳だが、自営業者になって、更に体の自由がきかなくなってくると、面白いことに怠惰になる術を学ぶことができる。

 そう、尊敬すべきマネージャー(経営者)は、怠惰の見本のようなものである。
 しかし、あなただって怠惰になることは出来る。もちろんここで言う怠惰とは、生産的怠惰のことである。
 では、オートバイに関するネタを提供できない時の常套手段として、株式投資について語ろう。
 私は、世界を見渡した場合、いわゆる商売が上手なのは、ユダヤ人やインド人だと思う。それに対して我々日本人は、あまり商売が上手いとは思えないが、もちろん中には商売が上手い人も存在する。そう考えると、私を含めて、これを読む読者の皆さんは、自分には商才がないとガッカリする方もいるかもしれない。しかし、人生が捨てたものではないように、ガッカリする必要はなく、商才のない人間は、商才のある人間に“投資”すれば良いのである。
 これが株式投資の利点だと私は思う。

 別の言い方もしてみよう。例えばここにブサイクな女性がいたとする。(おおっ! フェミニストの皆さんが私の掲示板を荒らしそうでキョワイ表現だ!)このブサイクな女性は、幼少期からスッチーに憧れていたが、どう考えてもスッチーにはなれそうもないルックスだったので、代わりに航空会社に投資して金を稼ぐという手もある。
 こんな記述をすると、昨年にリコール問題で株価が暴落した『三菱自動車』の株を紹介し“逆張り”で儲けた方が、今度は不祥事続きの『日本航空』の株に手を出しそうだが、『日本航空』は、『三菱自動車』よりかはアップサイドの利益は薄そうで、ダウンサイドリスクが大きいと思われるので、投資判断はあくまでも自己責任にてヨロシクである。
 え〜と、話を戻して、成功して金を儲けた人達は、多くの若者の憧れかもしれないが、別に自分が成功しなくても、成功した人達に“投資”することで、自分が怠惰的に成功することが可能なのが、株式投資であり、特に私が推奨している割安株投資&長期投資は、企業のファンダメンタル、つまりは、経営者の能力を事前に分析し、投資した後は放っておくだけで良いので、非常に楽な投資スタイルである。
 しかし、例えばデイトレードやスイングトレードで儲けている人達に比べれば、投資の収益の上がり方が非常にゆるやかなので、大抵の人はこのスタイルに対してサジを投げてしまう訳だが、これが我々の優位性となっているのは、尊敬すべき投資家の過去の実績が証明している。

 つまりは、資産運用版のウサギとカメの戦いな訳だが、長期投資家が強力な武器としているのは、“複利成長”のマジックであり、デイトレーダーやスイングトレーダーの皆さんの数学に対する無関心が、我々の優位性を生み出している。

 では、もしこれを読むあなたが、私と同じように腰痛などに悩まされ、思うように体が動かなくなってきているというのならば、マネーゲームという名の最高のインドアゲームに挑戦し、生産的怠惰の見本になって頂きたいと思う。
 しかし、人生の皮肉は、長期投資のメリットを最大限に引き出す為には、より若い時に投資を始めることが重要だという点であり、これを読む、五体満足でピンピンしている若者もまた、なけなしの小遣いの一部を株式投資に当てて頂きたいと思う。

 ちなみに、億万長者になる為には、10万円からスタートした場合、10倍になる株を買うことを3回繰り返すことであり、10年間で10倍にする株を、幸運にも30年の間に10年ごとに3回発見すれば、あなたは30年後には億万長者になっている。
 しかし、多くの人達は、10万円を30年後に1億円にする投資よりも、数百円を明日に1億円にする賭けに手を出す可能性が高い。これが数学に対する無関心が生み出す、勝ち組と負け組みの差であり、これを読む若者には、掛け金がゼロになってしまうゲームには挑戦せず、商才のある人間を見抜くことを優先して頂きたいと思う。
 また、大げさに言わせてもらえれば、商才のある人間にお金が集まりやすくなることは、国全体で見た場合においても、国力を増すことにつながる訳でもある。
 このように考えると、テクニカル分析やデイトレの方達の存在は、長期投資家のモティベーションを持続させる為の必要悪とも言える存在だが、(仮に学者が持ち出す効率的市場論が正しければ、我々の優位性は失われてしまう)オートバイ乗りの方達に分りやすく例えると、多くのライテク本が書店に並んでいるおかげで、そんなものは無視しているライダーの優位性が高まり、また、ライテク本で頭がオタマジャクシのようにデカくなった人達の存在のおかげで、自らのモティベーションを高く保つこともできる訳である。

 私はこうした皮肉な現象が心底好きなのだが、一般の個人投資家の90%の方々が年間収益で損を出しているというのに、書店には短期間にお金持ちになるかのようなタイトルの投資関連の雑誌が並んでいる。これと似た調子にて、一般のライダーのほとんどはサーキットにやってきて挫折するというのに、書店には今すぐにでもコーナーでヒザが擦れるようになれるかのようなことが書かれたライテク本が並んでいる。
 現在私はその共通点を探るべく、文章にまとめようかと思っていたが、おつむが弱いので、まだまだ先になりそうなものの、もしまとまったらアップしたいと思うのでヨロシクである。




www.romc.jp www.maderv.com www.bugbro.com www.bugbromeet.com