Erv's Letters index Text by Erv Yamaguchi


疲れが限界です 2005年7月29日 22:16

 日に日に訪問者が増えて、アクセス数がロムシーを開催していた全盛期並になってきているので、期待に応えようと色々と考えると、考え込み過ぎて文章がまとまらず、更新がおろそかになってしまうが、ここのところは疲れているので、考える能力が低下しているが、あまり深く考えずに書いたほうが、更新も続くような気がしてきた。

 とまー、自己肯定は人間の常だが、私の日記の底辺を流れる潮流に従って、今日も色々と書いてみよう。

 まず、クライスラーと合併してブランドバリューを下げ、三菱と提携してブランドバリューを下げ、スマートを販売してブランドバリューを下げ、Aクラスベンツを発売してブランドバリューを下げた、ダイムラー・クライスラーの社長が辞任したことで、ミスター・マーケットはダイムラー・クライスラーの株価を10%押し上げたようだ。当然である。

 国内に目を移してみよう。映画会社を買ったり保険に手を出したり、あげくの果ては化粧品まで自社のブランドで売れると考えたストレートにバカなソニーが、家電メーカーの負け組に転落し、家電に特化した松下が勝ち組となった。当然である。

 オートバイメーカーを見てみよう。ヤマハ発動機は、創立50周年記念式典にて、「ヤマハ=オンリーワン・ブランドを目指す」と言い放った。本当だろうか?
 ではヤマハが売っているものを以下に紹介しよう。

 バイク・スクーター
 マリン製品
 スノーモビル
 4輪バギー(ATV)
 レーシングカート
 電動スクーター
 電動自転車
 電動カート
 電動車イス
 発電機
 除雪機
 アルカリイオン整水器・浄水器
 産業用ロボット
 表面実装機
 プール
 マリーナ機材
 産業用無人ヘリコプター
 型製造
 ゴルフカー
 汎用エンジン
 循環ろ過システム
 埋設式FRPタンク
 油水分離装置
 ガスヒートポンプエアコン(GHP)

 オンリーワンブランド、つまりヤマハが独占している商品は何だろうか?
 私が考えたところ、それは電動スクーターだと思う。
 そう、ヤマハは電動スクーターのみに特化して、他の製品を売る部門は、スピンオフ、閉鎖、売却すべきである。そうすればヤマハは真のオンリーワンブランドになれるだろう。おおっ! 素晴らしい! 頑張りたまえヤマハのバカ社長! 君の前途は多難だよ!

 さて、オンリーワンブランドを目指すという健全な思考を抱いたヤマハと違い、ダークサイドに魂を売ることでオートバイ業界の文字通り暗黒面を支配するホンダについても語ろう。
 我が国のオートバイメーカーは、元々はヤマハが1番強い地位にいた訳だが、アメリカでの成功をバネに、その内ホンダがのし上がってきた。そして、2サイクルの強さでWGPを席巻していた80年前後のヤマハに対して、ホンダは自社の4サイクルのイメージに執着すべく、NRを投入したが、どうしても勝つことは出来ず、泣く泣く2ストで参戦するハメになった。しかし、ホンダはGPを4スト化して、自分の力を見せ付けたかった。
 そして、環境問題を武器に、政治を働かせた。結果、motoGPは4スト化された。ホンダは技術力を見せ付けることに成功し、多くのGPライダーは、機械の体をタダでくれる星、つまりホンダを目指した。
 しかし、ライダーとしての才能だけでなく、自分を表現する才能にも恵まれたイタリア人のチャンピオンは、機械の体になることを拒んだ。そして、星野鉄郎のように、機械の体をタダでくれる星から逃げ出した。戦士の銃を持って…。
 もろちん、ここで言う戦士の銃とは、ジェリー・バージェスのことである。ホンダに乗るライダーに必要なもの、それは機械のようにつまらない人間になり、人間性を否定してホンダのオートバイを速く走らせることである。
 しかし、星野鉄郎が逃げだしたことでホンダの計算が狂った。
 そこで再び政治を働かせることにした。排気量の縮小である。2007年からは、ホンダの圧力でmotoGPは800ccのマシンとすることになった。その際、ドゥカティの提唱したニューマチックバルブの禁止は無視され、WCMの提唱したギヤボックスの段数を少なくするという案ももちろん無視された。理由。どちらもエンジンの高回転化を阻む、ホンダにとって不利な条項だからである。

 さて、motoGPは、皆さん御存知のように、白雪姫と七人の小人の世界である。もちろん七人の小人とは、ヤマハ、スズキ、ドゥカティ、カワサキ、プロトン、WCM、アプリリアである。しかし、アプリリアはすでに餓死した。恐らく2007年を前にして、WCMとプロトンも餓死するだろう。スズキ、ドゥカティ、カワサキも餓死寸前まで追い込まれるだろう。そう、motoGPは、おごれる者久しからずの格言通り、色々なメーカーが挑戦するものの、80年代からは、基本的にHY戦争なのである。そしてこれは、基本的には政治的な争いである。まるで自民党内の角福戦争のようだ。他のメーカーは、何の力も持たない野党のようだ。これは、健全な見方を改め、ダークサイドに身を置けば、ある種面白いストーリーである。
 郵政民営化よりも、政治を角福戦争にしたほうが面白いことに実に似ている。

 窓を開けて太陽の光を浴びてみよう。
 では、我々一般のライダーにとって、こうした争いは役に立っているのだろうか? 難しい質問だが、私は否定的な考えに傾倒する自分自身を抑えることができない。技術の進歩に対しても懐疑的だ。

 仮に、私が16歳の時にサーキットでポピュラーだった、ヤマハのRZ250が、現在でもサーキットにおけるスタンダードだったとしよう。たしかRZ250は当時40万円位の車両販売価格だったが、最近のサーキットにおけるスタンダードマシンは、みな100万円から150万円位するので、ざっと100万円もコストが上昇してしまった。仮に今でもRZがスタンダードだったならば、サーキット人口はここまで減少することもなかったのではないかという想像を私はよくする。

 環境問題を扱う学者達も、私と同様に技術の進歩に懐疑的だが、彼らは、技術が進歩するのであれば、自動車の排気量は小さくなるハズだといった皮肉を言うのが好きな輩である。理由は、同じ馬力をより効率よく少ないガソリンで発揮できるようになるのが技術の進歩だからだ。しかし、現実には、技術が進歩すればする程、市販車の排気量は増加していく。理由。消費者のニーズはエスカレートし、メーカーも火に油を注ぐからである。

 しかし、ここでエコロジストの意見を真摯に受け止めれば、技術の進歩により、本当は少ないエネルギーで効率良く移動できるオートバイを尊ぶべきだと私は思う。
 そう、そういった意味で、私はヤマハの電動スクーターに大きな期待を寄せている。こんな素晴らしい乗り物を開発したヤマハに心から拍手を送りたいと思う。よっ! スゲーぞヤマハ! とっととmotoGPなんて撤退しなさい! そうすればホンダなど裸の王様だよ。

 えっ? 何々? スズキとカワサキはどうすればいいって? あなた達はワンメイクレースに力を入れなさい。




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