Erv's Letters index Text by Erv Yamaguchi


あほうはやる
2008年12月5日 16:01

 不景気により仕事を失う派遣労働者が1万人生まれるそうだ。

 仮に1万人に15万円の生活費を1年間支給すると180億円となる。しかし、あまり大した金額に感じないのは、「お金持ちの人達は自主的に辞退してね(はあと)」という、国民全員にバラまく予定の1人1万2000円の定額給付金の予算2兆円の金額があまりにもデカいからだろう。

 普通に生活している人達に金をバラまいても、貯蓄に回して経済効果など少ないことが専門家の指摘によって分かっているが、失業により“生きていくことが出来ない”人達に金をバラまくのが社会主義政策と言える。

 ちなみに、民主社会主義国のデンマークの実例を紹介すれば、デンマークでは看護師の平均月収は約55万円だが、この待遇に不満な看護師は離職して派遣会社に登録する。しかし、派遣会社から派遣される看護師は失業する危険がある為、月額で20万円の給料が増額される。つまり、デンマークでは、非正規雇用者を雇うと企業側にとっては割高に、労働者にとっては短期的には有利になる賃金政策となっている。

 また、デンマークでは、ブルーカラー(工場労働者)の給与は時給制だが、仕事がなくなると即時に解雇される。しかし、全員失業保険に入っている為、解雇されてもすぐに生活に困窮するということはない。(保険料は、最初の1年間は給料の80%である)また、失業中に新たな職業につく為の職業訓練を受ける場合には、失業保険の給付を受けながら、職業訓練の費用も全額補助される。

 ホワイトカラーに関しては、解雇の告知は1〜6ヶ月の予告期間があり、解雇後の失業保険料は解雇前の給料の80〜90%である。

 デンマークの失業保険の給付額は、最高額が年間444万円で、最低額が年間360万円(2007年)で、高額所得者は最高額で頭打ちとなる為、失業保険の他に“給与補填保険”をかけることが出来る。

 デンマークは究極の例と言えるが、いずれにせよ、世の中はミルトン・フリードマンの提唱した、むき出しの市場原理主義を放置すべきとする新自由主義(ネオリベラリズム)から、民主社会主義への移行を望んでおり、新自由主義と民主社会主義の違いも分からない勉強不足の政治家は、この機会に淘汰されていくことだろう。











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