Erv's Letters index Text by Erv Yamaguchi


風向き論&戦略か理念か論
2009年7月16日 11:52

 都議会議員選挙が終わり、議席で見た勝敗としては、民主党と公明党が勝ち、自民党と共産党が負けたと思っていたが、中身は違っていたようだ。


民主党
+10議席
+122万7000票
自民党
−10議席
+11万8000票
公明党
+1議席
−4万3000票
共産党
−5議席
+2万8000票
その他
−6議席
-6万6000票


 ↑の表は、前回の選挙との比較で、数字をイジくり回すのが大好きな私らしく、議席数だけでなく、得票数の増減も考慮してみたが、民主党と自民党は、両方とも得票数を伸ばしていて、この期に及んで自民党に投票する人など、どんだけ保守派なのかとも思ってしまうが、自民党が伸ばした得票数以上に、民主党は10倍以上の得票数の伸びを示したので、民主党への追い風の凄さという、“風向き”にて勝敗が別れたような気がする。

 しかし、面白いのは公明党と共産党の差で、選挙直後は、マルクスが言った、「宗教は人民にとってアヘンである」という言葉を裏付けるかのように、公明党を支持する人間の信心深さに驚いたと同時に、自分が支持した共産党は議席を減らしたので、このまま宗教が政治を支配したら、亡命の準備もしなければならないと、やり場のない憤りを感じたが、実際には、公明党は得票数を減らしていて、逆に共産党の方が得票数を増やしていたので、宗教よりもマルキシズムの方を支持する人達の方が多かったということで、ほんの少しだけ安心材料になった。

 しかし、そうは言っても結果だけを見れば、公明党は選挙がとてつもなく上手く、それに対して理念だけで活動しているような愚直だけが取り柄の共産党は、選挙がとてつもなくターヘーだということも明らかになった。

 という訳で、社民党などお話にならないので、やはりここは、共産党のように大企業批判が出来、かつ、もっと柔軟に物事を考えられる民主社会主義を標榜する政党が欲しいところだが、そもそも論で言って、なぜ国民が政治に関心が薄く、「自民党も民主党もほとんど同じで、どっちが政権取っても大して変わらない」と多くの人が考えてしまったかと言うと、実際、自民党の中にも民主党の中にも、極端なタカ派や、ネオリベラリズム(新自由主義)を推進する経済右派の議員がいて、何だか争点が分かりずらいという面があるので、ネオコンネオリベが強すぎた自公政権が下野するのは当然として、その後政権交代が起きた後は、民主党内のネオコンネオリベ派をあぶり出すことで、今度は政界再編に持ち込み、自民党などは細々とした保守の党として、ネットウヨさん達のガス抜きの役割を果たせばよく、後は、北欧のスカンジナビアモデルのような政策を掲げた民主社会主義的な政党と、弱者切り捨ての弱肉強食的なネオコンネオリベ派の政党にキッチリ分かれて、国民が政党を選びやすくする方が、今後の国民の政治的関心を高めるのに良い道筋なのではないかと、私は理想主義的に乙女チックに願っている。

 しかし、実際に民主社会主義的な政党と、弱肉強食の政党に分かれれば、まー、明らかに後者は分が悪いので、理想としては、似たような民主社会主義の政党が争って、非常に些細な点までも弱者救済について討論することで、国民の民度も上げていってもらいたいものだ。

 世界で唯一の被爆国が、「核武装は是か非か」と言った、人を殺す話などして足踏みしているのは、とてつもなくバカげていると私は思う。




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