Erv's Letters index Text by Erv Yamaguchi


ドイツのフツーのバイク雑誌到着
2009年8月18日 23:19

 本日は衆議院選挙の公示日ということで、これから投票日までは、個別の候補者への投票の呼びかけ等は問題があるという噂を耳にしたのと(落選運動はいいらしいという噂もある)、そもそも、私1人がガタガタ騒いでどうにかなるものでもないので、コマケー政治の話は控えたいと思ったが、そうは言っても、何か書きたいネタもなく、ダラダラと日々が過ぎていくといった今日この頃、本日ドイツより届いたバンディットヘルメット他の梱包の中に、バンディットヘルメットの“しゃちょさん”(ピーナ嬢風)が、オマケでドイツのフツーのバイク雑誌を同封してくれたので、ドイツ語とかはサッパリ分からないが、マーヒーなのでテキトーに写真を紹介して、テキトーに皆さんと共に色々と想像して楽しみたいと思う。




 タイトルが『PS』というのか? ちなみに、お値段は3.5ユーロなので、現地価格は500円程度。




 私はこの雑誌で初めてアプのFV2というのを知ったが、オヤジ入ってる私と違い、ネットのヘビーユーザーの皆さんは、すでにご存じだっただろうか?

 よく見てみると、フロントがウィッシュボーンタイプのサスになっていて、このタイプのサスは、かつてアプがGP250でも採用したことがあるので、何かなつかしさも感じてしまう。ちなみに、フロントのアームカバーとかライト周りがアームと一体なので、舵を切るとそのままライト周りも一緒に動きそうなイキフン(雰囲気)で、4輪的な思考で語らせてもらえれば、バネ下重量が重そうなシロモノ家電なものの、まー、この斬新なスタイルだけで充分なので、そんなコマケーことはどうでもいいという感じである。

APRILIA FV2の画像




 イギリスの『SUPERBIKEMAGAZINE』の連中も、卸したての広報車でも全然気にせずガンガン乗り回すが(頭から落ちるみたいなクラッシュを平気でやるw)、ドイツのエディターの方達も、全然気にせずガンガン乗り回すようだ。

 という訳で、あっちの雑誌は↑みたいな絵が多い。




 続き。




 アプのSL1000と、ビーエムのF800Rと、GSR600と、ストリートトリプルという、比較的おとなしめのネイキッドの比較記事でも、皆さんガンガン攻めちゃう。




 ブサのファイターで、削り出し大好き調の私がクラクラくる感じで、リヤのプロアームがどうやら削り出しっぽい。やられた。(笑)




 クランクケースカバー類やホイールなんかも、かなりワンオフチックなビレットパーツで固めていて、相変わらずゲルマン民族のクラフトマンシップに脱帽調でやんす。

 あと、アンダーカウルに、カタカナで「ワイフアナト」と書いてある気が…。(笑) あっちの人が間違った漢字のタトゥー入れちゃうみたいな調子で、テキトーに日本語を使ったのだろうか?(笑)




 羨ましい、あちらのロードレースの様子も載っていた。↑はKTMスーパーデュークカップというワンメイクレースの様子。




 ↑は、似たようなノリで、トラのストリートトリプルカップというワンメイクレースで、海外ではメーカーやディーラーが協賛したりして成り立っているワンメイクレースが非常に多いが、日本ではメーカーはそうしたことに非常に消極的なので、なかなか底辺層が育たないし、ロードタイプのバイクのセールスを伸ばすパブリシティー活動としてのロードレースの利用という概念も全く育たない。

 ちなみに、80年代の空前のロードレースブームの時は、250や400のレーサーレプリカがそうした役割を担っていたが、現在の『ライディングスポーツ』誌の編集の人達が、かつて『サイクルサウンズ』誌にいた頃に、ロードレースの入門を市販車からGP125に置き換える活動に積極的だった為、市販車レースはすっかり落ちぶれてしまった。

 しかし、誤解してもらいたくないのは、当時の『サイクルサウンズ』誌の編集方針を非難している訳でもなく、“ゆるい”設計が特徴の市販車と違い、ガチガチなフィーリングで、最初からスリックを履いた切れ角がほとんどない2ストレーサーで日本人ライダーが育つという流れが出来たことで、現実的にはWGPにて多くのGP125とGP250の日本人チャンピオンを生み出したのも歴史上の事実である。

 しかし、当時の『サイクルサウンズ』誌の編集部の人達も、まさかホンダが2ストを棺桶に放り込むとは予想しなかったようで、全世界的に2ストの肩身が狭くなった頃から、2ストレーサーでライダーを育てるというストーリーの雲行きが怪しくなってきた。

 しかし、2ストレーサーでライダーを育てるという流れは、現在でもまだ脈々と続いており、2ストレーサーで育った日本人ライダーは、4ストの最高峰クラスにステップアップするとシーズン途中で解雇され、非常に対称的に、棺桶の前後に車輪を付けて走らせているGP250の日本人ライダーは、現時点でポイントリーダーとなっている。

 これ程分かりやすく日本人ライダーのストーリーの明暗が分かれるのも面白い成り行きだが、日本のサーキットで細々とロードレースに参戦している草レーサーは、現在はほとんどが600や1000のスーパースポーツを使用しているものの、メーカーはそうした人達のニーズを掘り起こそうという概念がまったく欠落し、我が国のロードレース業界は、『サイクルサウンズ』誌が築いた、ポケバイからの英才教育で13〜14才ですぐにガチガチフレームのスリックを履いたレーサーにステップアップさせるという流れにいつまでも従順なので、モーターサイクルスポーツが、スポーツとしての市民権を得る日は遠い、というよりかは、ほとんど絶望的なので、ゴルフやテニスと同じく、プロはガキの頃からの英才、その他多数はオヤジの趣味という流れの方が現実味が増している。

 しかし個人的には、金太郎アメみたいにみんな似たようなスタイルで走る英才タイプの2ストレーサー育ちのライダー達が争うレースよりかは、80年代AMAスーパーバイクで這い上がってきたような、ヘンテコなフォームで走る草レース上がりのハングリーな賞金稼ぎタイプのライダーの激突の方が私は好きである。否、大好きである。




 ↑は、SBKの記事で、例のモンツァのクラッシュの様子。こうした写真を使ったパブリッシングも、いかにもあっちの雑誌っぽい。




 エロ坊主は、あっちでは“ベニー”と呼ばれているのか?

 ところで、前述の私の文章では、日本人ライダーと言えば、いかにもWGP(motoGP)の2ストレーサー使いと言ったイメージに固執し過ぎているという印象は否めないが、現実的には、SBKとかBSBとかでは、ハガノリやキヨナリやユッキーやフジワラと言った、英語を自在に操り、完全に現地の人間と化している4スト使いも少なからず存在し、motoGPを走るスマートな英才タイプの日本人ライダーよりかは、SBKの日本人ライダーの方が、往年のアメリカンのようなハングリーでエキサイティングなライディングスタイルのライダーが多く、海外でもこうした日本人ライダーのワンフーが多い気がする。

 という訳で、私はナショナリズムに全く興味がなく、むしろ意図的にナショナリズムを忌み嫌っているくらいだが、色々いるライダーの中の日本人という風に見たとしても、全ての国のライダー全員が割とデタラメチックに走っているSBKの方が、motoGPより数倍好きである。否、大好きである。




 ↑は、何でもアリのレースっぽくて、日本のフツーのSSだけでなく、デイトナ675とかRC8とか、ビーエムのK1200Sまで走っていて、これはこれで観客的には楽しげな感じ。

 という訳で、全世界的に考えて、モーターサイクルスポーツが盛んなイメージの国は、イタリアとスペインだが、日本人のイメージでは、あまり盛んなイメージがないドイツですら、これだけモーターサイクルスポーツが盛んだというのに、バイクの生産世界一を誇る我が国の現状はお寒いばかりだ。




www.romc.jp www.maderv.com www.bugbro.com www.bugbromeet.com