Erv's Letters index | Text by Erv Yamaguchi |
売りました 2005年1月15日 18:29 さて、今週は週の半ばで倒れてしまったので、日記もなかなか更新できなかったが、以前、私が保有していたコナミJPN(4338)が、親会社のコナミに吸収合併されてしまうという話をしたのを覚えている方はいるだろうか? 前回の記述では、まだ売却は決定していない旨をお伝えしたが、その後、私は、私に一切の相談もせずに、05のGSX-R1000の購入を衝動的に決めた、友人の成松君に、このコナミの合併の件を話したところ、彼は、「コナミならまだまだ大丈夫なので、そのまま持っていた方がいいと思いますよ」と答えた。私は友人の助言はありがたいと思うと共に、コナミJPNの株は売ろうと考えた。そう、株式投資においては、成松君の意見の反対を行っておけば、大体うまくいくのが私の経験則だからである。 冗談はさておき、スピンオフの逆を行うコナミとコナミJPNに対して、私はほとんど数十秒でコナミJPNの“売り”を決定し、早速証券会社に(食あたりで倒れる前に)売り注文を出してしまった。 こう書くと、私はいつも衝動的に株を売買しているように聞こえるかもしれないが、私が持ち株を処分したのは、外資の買収により上場廃止となってしまい、不可抗力で売った『シートゥーネットワーク』という株以来、2年ぶりである。そう言えば、その前に売ったのが、ニューヨークのテロの時で、私は2年おきに株を売っているようだ。しかし、シートゥーは不可抗力、コナミJPNも半ば不可抗力の売りなので、こうしたアクシデント的な売りで、自らの売買回転率を引き上げてしまうのは心痛である。ちなみに、尊敬すべき長期投資家の推奨する売買回転率は10%であり、これは10年で1回持ち株を入れ替えることを意味している。あなたは耐えられるだろうか?(笑) そう、株式投資は、自分との闘いでもあるのだが、投資の話はさておき、企業の価値について語ろう。 さて、国内4メーカーの中で、ヤマ発の株価が上昇し、ヤマ発だけが好調だということは以前お伝えしたが、それは4メーカーの中で、ヤマ発だけがオートバイだけを売っている企業なので、オートバイの売れ行きが良い年には、ヤマ発の業績の良さだけが目立つからだろう。 ところで私は、ハーレー・ダビッドソンをさんざん褒めまくっているが、実際の所ハーレー・ダビッドソン社は日本のメーカーよりも数字的にはよろしいのだろうか? どなたか国内2輪専門誌に寄稿するライターの方で、御存知の方はいらっしゃるだろうか? 恐らくいないだろう。大体、国内2輪専門誌に寄稿するライターで、会社四季報を見たことがある人間がどれだけいるだろうか? ひょっとした、そんな本が“あることすら”知らないかもしれない。 人をバカにするのはこれくらいにして、もったいぶらずに結論をいそごう。 まず、好調を維持しているヤマ発の来期の予想利益は、440億円である。対して、ハーレー・ダビッドソン社の来期の予想利益は、871億円である。(為替レートは102.58円にて計算) ハーレー・ダビッドソン社のラインナップは、SOFTAILと、DYNA GLIDEと、SPORTSTERと、VRSCと、TOURINGの5つである。 ヤマ発のラインナップは、まずはオートバイ・スクーターと、マリン製品と、電気自転車と、電気スクーターに分かれているが、主力のオートバイ・スクーターは、国内モデルを私がテキトーに数えた所、29種類で(数が間違っていても私を責める者はいないだろう。あなたも間違う可能性が高いからだ)、海外モデルはどれだけあるか予想もつかない。 つまり、ラインがシンプルなハーレー・ダビッドソン社は、複雑なラインのヤマ発の約2倍の利益を出している。 では次に、投資家はヤマ発とハーレー・ダビッドソン社に対して、どれだけの価値を見出しているのだろうか? ヤマ発の1月14日(金)の時価総額は、4兆5366億円である。対するハーレー・ダビッドソン社の時価総額は、18兆136億円である。ちょうど4倍だ。 いかがだろうか? 利益は2倍なのに、企業の内在価値は4倍と投資家は判断しているのである。 あなたは私のハーレー・ダビッドソン社に対するベタ褒めは、“えこひいき”だと思うだろうか? 国内2輪専門誌に寄稿するボンクラライターのように、10億円の金を使ってホンダからmotoGPのチャンピオンを奪い取ったヤマハを手放しに褒めたたえろと言うのだろうか? せっかく国内メーカーが世界を席巻し、オートバイ生産国世界一の座の日本の評価に水を差すのは非国民だと言うのだろうか? 私の存在は、ユダヤの陰謀だと言うのだろうか? だとすれば心外である。 私は裸で通りをパレードした王様が何を着ているか正直に語った少年に過ぎないのである。更に言わせてもらえれば、私は国を想うからこそ、日本のメーカーには血迷ってもらいたくないのだ。これが私のオートバイに対する愛である。ボンクラライターは、デイトレーダーのように、目先以上の先が見えない、正にボンクラである。そして、国内2輪専門誌は、王様のありもしない服を永遠に誉めそやすのだろう…。 そう考えると、むしろ国内2輪専門誌は、メーカーに新商品の発表をあおる悪魔と言ってもいいかもしれない。あなたは『ヤングマシン』誌や『オートバイ』誌や『モーターサイクル』誌にて、今だかつてハーレーの新車のスッパ抜き記事を見たことがあるだろうか? もしかしたらあるかもしれないが、あまり記憶にないだろう。つまり、もし仮に国内メーカーが一切ニューモデルを出さなかったならば、『ヤングマシン』誌や『オートバイ』誌や『モーターサイクル』誌は、ネタ切れで廃刊に追い込まれることだろう。どうだろうか? 国内メーカーは向こう2年間位はニューモデルの投入をやめ、悪魔の息の根を止めてみてはいかがだろうか? そうすれば、国内2輪専門誌の編集部で働く方達は、転職することでオートバイが好きになるだろう。自分を苦しませるのはオートバイではなく、ムクわれない仕事だと気付くことで…。 えっ? 何々? ではライターはどうやって情報を伝えればいいんだって? そんなに伝えたい情報があるのならば、私のように、“発信者負担で”伝えたらどうだい? 恋人同士の関係でもよく言うだろう。見返りを求めないのが真実の愛だって…。 「そんなことはない!」 と、もしかしたら国内2輪専門誌は反論するかもしれない。私との一致点がまるでないかのように…。 彼らの弁護士いわく、報酬を受け取るからこそ、情報の質は向上するのであり、足で現場を取材もしない私の言うことなど、子供のたわごとだという訳だ。 自己肯定は人間の常である。言ってみれば、つまるところ意見の相違は、物事に対する考えた方の違いに起因するのだろう。ただ、国内2輪専門誌にとって悪いニュースは、アーブ山口という名のクリームは、腐るまで泡立つということである。もちろんかき回すのは、親愛なる読者たるあなただ。(笑) |
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