Erv's Letters index Text by Erv Yamaguchi


素晴らしい睡眠薬 2005年6月16日 19:24

 これをお読みの方の中で、不眠症の方はいるだろうか? 仮にあなたが不眠症だとして、例えば睡眠薬などを服用しているのならば、もっと安上がりな方法がある。答。motoGPである。

 先日、私はHDDに録画しておいたmotoGPのイタリアグランプリを、昼間に観ていたら、あまりの退屈さにウトウトとしてしまった。つまり、motoGPは不眠症の方には、最適な睡眠薬だと私は思う。
 まったく、シートのうしろの方に乗ったイタ公どもが繰り広げるmotoGPは、馬力が250馬力だとか、最高速が340km/hだといった宣伝文句がまるでハッタリかのように、フジテレビの『曲がり角の彼女』くらい退屈なシロモノである。
 あぁ、ホントに面白くない! なんてテイタラクだ! 現在のmotoGPなんてクソだ!
 そう思った私は、ビデオテープが並ぶ本棚から、今となっては化石のような、『ケビン・シュワンツ・ストーリー』という名のビデオを取り出し、最近はほとんど使わずホコリをかぶっているビデオデッキに挿入し、このビデオを観た。
 すると、motoGPを観ている時には重かった私のマブタは、まるで鉄から炭素繊維になったかのように軽くなり、ついでに瞳の輝きも増していくのが分った。

 ケビン・シュワンツ。最高である。グレートである。私にとっては神と言っても良いかもしれない。特に89年のシュワの走りを観れば、250馬力のmotoGPマシンを操っている現在のライダーの走りなど、まるで子供のたわごとのようだ。
 また、シュワだけでなく、当時のマシンを操るアメリカンの走りを観察すると、現在のmotoGPマシンは、馬力と最高速を入手し、退屈を観客に提供したということがよく分かる。また、イタ公のライダー共が更にそれに拍車をかけている。
 しかし、シュワが引退したのは、もう10年も前の話であり、すでに現在の若者のライダーはシュワのことなど、あまり深く知らないのかもしれない…。

 ようし! ならば私はカミングアウトしよう! そう、私は89年のWGPこそが最高に素晴らしいレースだったと断言する懐古主義者なのだ! 年寄り扱いしてもらってもいいぞ! だってホントにロッシの走りなんて観てもツマンないんだモン!(笑)

 さて、自分自身について振り返ってもみよう。私自身は、いわゆる設計や品質的な意味で、ホンダに対して絶大な信頼を持っているが、今までの人生で、ホンダ車と私の相性はお世辞にも良いとは言えなかった。私は90年に八王子にMYCONCEPTというショップをオープンした時には、店内で89年のWGPのレーザーディスクを永遠に繰り返し再生していたので、89年のWGPを数万回も観ていたのかもしれないが、特にシュワの走りばかり観察していたので、シュワのフォームやスタイルをなんとか具現化したいと欲していた。そうした私にとっては、過去に乗ったオートバイの中では、88年式と90年式のジスペケ(GSX-R400R)が最も相性が良かったと思えるのだが、事実、昨年に乗った90のジスペケと今年に乗っていたホーネット600のトミンサーキットでの走りをビデオで比較してみても、ジスペケのほうが明らかにキレのある走りといった感じだった。

 という訳で、とりあえずトミンサーキットをピヨピヨ走る位が関の山と言った調子の私は、『前のりティ』にも適している現在のスーパースポーツ車も欲しいと思いつつ、どうせ転びまくるので、もっと安上がりに、90年式辺りのガンマを買おうかと思っている。そう、VJ22Aである。

 実は、すでに部品取り車として2台購入済みなのだが、実際に乗るマシンは、SPを買う予定だ。




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