Erv's Letters index Text by Erv Yamaguchi


初めて観たスポーツ 2005年7月11日 19:16

 だいぶ遅い話かもしれないが、今回のクールはトレドラを観ることを自粛すると言っていた私は、ついつい月9と、『電車男』を観てしまった。皆さんは御覧になっただろうか?
 ちなみに、月9のほうは、第1回でダウンしてしまったが、『電車男』のほうは、Cattyさんの例の一件と気分がオーバーラップしていたこともあってか、意外と面白かった。

 それと、業績絶好調と言った調子の上場企業が10億円のギャラで雇った、偉大なるチャンピオンライダーが、今年のmotoGPをドラッギーなまでに退屈なシロモノにしているので、生まれてからモーターサイクルスポーツ以外のスポーツを観たことがない私は、生まれて初めて他のスポーツを観てみた。

 その、私が生まれて初めて観たモーターサイクルスポーツ以外のスポーツとは、女子のバレーボールで、実は、前回のクールで、綾戸智絵が主役だった、『アタックNo,1』を観ていたのだが、テレビにて、最近モノホンの女子バレーボールが放映されていたので、私は300秒間という長時間に渡って、モノホンの女子バレーボールを観戦した。
 するとそこには、身長が5メーターはあるかと思われる大男達が、何やらmotoGPにも負けないような調子で凄いことをやっていたが、私はそもそもルールがよく分からないので、何が凄いのか説明するのも難しいが、私が観たところ、どうやらボールを相手の陣地に打ち込み、青い目をした金髪碧眼の人達を転ばせると良いことのようだった。

 という訳で、生まれて初めて観たスポーツは、私にかけがえの無い青春を与えてくれた、往年のアメリカンライダー達が繰り広げた男達の闘いの舞台を、ただの昼寝の道具にまで成り下げたイタ公どもと違い、そこで活躍する選手達は、爬虫類脳そのまんまの闘争心で闘っている姿が印象的で、私にとっては、とてもスリリングな時間を久々に過ごすことができた。

 え〜とえ〜と、あとは何について語るかな。そう言えば、少し前にサイトで売りに出したGSX-R1000を購入された方は、すぐにトミンサーキットに持ち込んで走っていたみたいだが、やはりバイクは走らせてナンボなので、ジスペケも新しいオーナーに出会って喜んでいることだろう。
 逆に、以前のオーナー(つまりは私の友人だが)は、非常によくあるパターンで、このジスペケを買ったようだった。
 この友人は、本当によくあるパターンで、職場でストレスを抱えていて、そのストレス解消目的でジスペケを買いたいと言っていることが、私にはよく分かった。しかし、同時に私は、ジスペケを買っても何も解決はしないどころか、かえってストレスは増加するだろうと予想していた。多くのバイク乗りが経験していると思うが、バイクを買う前は、バイクを買いさえすれば、幸福な人生が待っていると錯覚しがちである。しかし、多くの場合、購入前のテンションは、バイクを購入後は株価が下落した時の投資家のように、どこかに消えてしまう。
 もちろん例外もある。それは、純粋にオートバイを走る道具として考え、スーパースポーツ車ならば、サーキットなどでその性能を味わって楽しむ場合である。
 もちろん私は、この友人に対してサーキット走行の楽しさを知ってもらいたいと、自分がホーネットでサーキットを走る時に同行させ、他のライダーの走りなども事前に見せていた。しかし、これまた本当によくあるオメデタイパターンで、彼はGSX-R1000に乗れば、すぐにでも速く走れ、簡単にヒザでも擦ってフルバンクできると思っていたようだ。
 また、なぜジスペケにしたのかだが、彼が言うには、雑誌で1番いいようなことが書かれていたのと、レースでも勝っていたので、GSX-R1000が良いと考えたらしい。これもビギナーによくありがちなパターンで、あまりにも論理が勝ち過ぎていて、“ツメが甘い”考えである。
 しかし、そうは言っても、彼は未来を担保にローンを組んで、150万円位の乗り出し価格で、本当にジスペケを入手した。しかし、買う前に豪語していた話はいつのまにかどこかへいってしまい、ツナギすら買うのをためらっていた。理由は、お金がもったいないからである。ならばツナギを買うお金の分、例えば20万円ほど安いオートバイをセレクトすればいいのではないだろうか?
 しかし、彼にとっては、新車で新型の最速のオートバイじゃないと納得いかないのである。これも本当によくあるパターンだ。

 しかし、人間は実際に経験しないと、色々なことが見えてこないのだろう。彼はストリートでピヨピヨジスペケを慣らし運転している間に、自分は本当はオートバイなど好きではなく、単に会社のイヤな仕事から逃避したかっただけだということに気付いたようだ。本当にオートバイが好きならば、すぐにでもツナギを買って、サーキットにやってきてひたすら練習に励むことだろう。笑えることに、彼はジスペケを買う前は、「やるからには1番になりたい」と豪語していたが、買ってからは、「まずはコソ練しなくちゃ…」と、急に弱気になっていた。これも本当によくあるパターンだ。コソコソやっている奴は、まるで「スカートもゴムだし、ウエストなんて気にならない」と言って、いつまでもデブな女性と同じ穴のむじなだ。
 幸いなことに、彼は転倒という最悪な事態を迎える前に“独立”の道を歩んだ。つまり、ストレスの原因は会社にあるのだから、独立することでストレスを回避するという道をセレクトしたのである。私は彼が本質的にはオートバイが好きではないと感じていたので、開業資金をつくる為にジスペケを売るのであれば、バイクはまだきれいで、暖かい時期でもある今がチャンスだとあおった。そして彼は決断し、オートバイは売りに出されたのだが、新しいオーナーは、車歴も色々なベテランライダーだったようで、更に、前述したように、すぐにサーキットにてジスペケの性能を堪能したようなので、ジスペケ自体も喜んでいることだろう。

 さて、言いたいこととしては、もしあなたがビギナーライダーを発見したら、口八丁手八丁で、とにかく最新のオートバイが一番良いと薦めることである。もちろん馬力はなるべく高いほうがいい。そのほうが買った後の(使いこなせないという)ショックはより大きくなるだろう。
 そして、なるべく早い時期に買った後の幻滅がやってくることを祈るのである。
 そう、こうした“カモ”の人達の悲観により、大幅に割安な価格で手放された中古車こそが、ベテランライダーがセレクトすべきオートバイである。
 そして、こうしたオートバイを実際に購入することができた幸運なライダーは、浮いたお金を余裕資金とし、こうした資金をサーキット走行の費用に回すことで、更にライディングテクニックに磨きをかけて頂きたいと思う。

 エピ3と私の日記の、どちらがダークサイド度が高いかい?
 (残念ながら、私の日記は18禁ではない)




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