Erv's Letters index | Text by Erv Yamaguchi |
コクり方のパターン 2005年8月9日 15:20 メールで“コクる”のは、あとくされてがなくて良いと言うが、メールのほうが記録に残るのであとくされがあると、今パフィーの由美ちゃんのほうがラジオで言っていた。ちなみに、私はパフィーの大貫亜美ちゃんが好きだ。 そんなことはどうでもいいが、話題を郵政解散にもっていこう。 ライオンは解散総選挙にすることで、国民に郵政民営化の是非を問いたいとのことだが、皆さんは郵便局は民営化されたほうが良いと思うだろうか? 私自身よく分からないので、文章を書くという作業を通じて、自分自身も考察してみたいと思う。 まず、以前にも記述したことがあると思ったが、通常、国王や女王が自分の持ち物をガレージセールに出す時には、何であれそれは“買い”である。 しかし、日の出ずる国の政府が、自分の持ち物をガレージセールに出す場合には、その“お値段”に注意しなければならないと思う。 理由。過去にNTTで損した人達が沢山いるからである。 つまり、郵便局がガレージセールに出された場合、お値段が安ければ、多くの人は郵便局の株を買うだろう。もしかしたら、郵便局に預けていたお金をおろして郵便局の株を買うかもしれない。そうなると、郵便局の預かり金が減って、株価は下がるかもしれないが、庶民が、郵便局に現金を預けるか、はたまた郵便局の株を買うか、はたまた、郵便局に預けていた金をおろして、別の企業の株を買うか、はたまた、他の金融機関に預けていた金で郵便局の株を買うか、まー色々なパターンができて、結果的にアダム・スミスの“見えざる手”により、妥当な線に落ち着くという訳だ。 つまり、それが最も自然なので、私は民営化に賛成だが、民営化というしっかりと形に残る論理で自分の感情を表現すると、むしろあとくされが残ってしまうということが今回の解散でよく分かった。ライオンは、まるでメールで異性にコクった人のようだ。 対して、民主党のほうは、民営化という論理で邁進するよりも、他にやるべきことがあるという意見で政権奪取を狙うようだ。 私は正直に告白すれば、郵便局がガレージセールに出されても、別に郵便局を買いたいとは思わないし、むしろ政権交代を見てみたいと思うので、今回は民主党を支持しようと思う。 しかし、岡田代表は、「長年地中で木の根を食べて地上に出る。民主も結党7年。この日に向かって努力してきて、いよいよ政権交代する」と、自分の党をセミに例えたらしいが、本物のセミのように、政権交代後に1週間で死ぬのではないかという心配もある。(笑) まーシラけた国民感情を代表して述べさせてもらえれば、どちらもカレーライスとライスカレーの違いくらいしかない訳で、改革は政治家よりも、むしろ民間企業のほうが得意であるので、なんだか良く分らない政治の世界よりも、私はやはりビジネスの世界のほうが好きなようだ。 という訳で、またまたコロッと話を変えて、ビジネスの話をしよう。 アメリカでは、GMがクルマを社員価格で販売するという戦略を取り、大幅に売上を増加させ、フォードとクライスラーもGMに引き続き社員価格での販売に踏み切り、3社は20%も売上を増加させた。 さてさて、日本のメーカーはどうなったのだろうか? 面白いことに、割引き販売を行っていない日本のメーカーは、なんとこの機会に10%も売上が増加した。理由。アメリカメーカーの好調なセールスにより、クルマの需要が喚起されたからだそうである。濡れ手に粟(アワ)だ。 私はこうした皮肉な話が大好きだ。 アメリカの自動車メーカーに対して、アナリストの方たちは、社員価格の販売により利益率が悪くなっていることと、将来の需要を先取りした売上の増加なので、長期的な戦略においては、現在のアメリカメーカーの売上の好調さに対して懐疑的なようである。 対して、日本のメーカーは、利益率を悪化させずに売上が上昇したので、一言で言えば、「ウハウハ」なハズである。まるで、キチンとした告白もしていないというのに、なんだかんだで結婚までこぎつけることができたという人のようだ。漁夫の利である。 人間社会というのは、本当に皮肉の連続である。プロのゴルファーも狙ったパットを外すことがあるし、アマチュアのゴルファーの打った球がホールインワンになったりもする。そう考えると、“実力”という言葉のはかなさを感じてしまうが、サーキットにおけるラップタイムという名の冷厳な事実の前では、実力は最重要課題だというものの、サーキット走行自体に必要な戦闘機の購入に関しては、ダークサイドに身を置くことで、元の持ち主の悲観により、大幅に割安な価格で手放されたオートバイを購入して、濡れ手に粟の気分を味わいたいと思う今日この頃である。 |
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