Erv's Letters index | Text by Erv Yamaguchi |
悩ましいタイヤの選択 2005年11月8日 17:58 リファインさんの走行会のレポートにもすでに書いたが、新しいダンロップの『クオリファイヤー』は、新品時には、グリップし過ぎて、私にはテストライダーの能力がない為に、タイヤの特性などは、うまくレポートできなかった。 という訳で、新しいタイヤについては、優秀なテストライダーのレポートを国内2輪専門誌にて参照して頂くとして、私自身は、別の視点からタイヤメーカーについて語ってみよう。 ところで、私はどちらかと言うと、仕事が上手な企業よりも、商売が上手な企業に注目してしまうが、タイヤメーカーの中で、研究開発費を、最も効率よく利益に結び付けているメーカーはどこなのだろうか? という訳で、3年前までの研究開発費の累積額が、3年後の累積営業利益の何倍になっているかというランキングにて、46位以内に入っているタイヤメーカーを見てみると、それはブリヂストンと横浜ゴムの2社だけであった。(国内2輪専門誌に寄稿するライターも、そんなことは知らないだろう) ちなみに、横浜ゴムは46位だが、ブリヂストンに関しては、なんと10位に食い込んでいる。具体的には、ブリヂストンの累積研究費は1239億円で、累積営業利益は5649億円と、その倍率は4.6倍となっている。自動車メーカーと比較すると、日産は3.3倍、トヨタは3.1倍、スズキが2.5倍であり、自動車メーカーよりも効率良く研究開発費を利益に結び付けているようだ。 これが、最近のブリヂストンの元気の良さの源なのかもしれない。 実際、スピード☆スター代表の水口さんによると、ブリヂストンは、F−1での研究成果を、2輪にもかなりフィールドバックしているとの話で、motoGPでの活躍もうなづける。 と、BSの肩を持つ記述になってしまったが、私自身は、タイヤの良さなどよく分からないので、長年愛用していたダンロップが、“ダメロップ”にならないよう、今後もなるべくダンロップを履くこととしよう。 ちなみに、『クオリファイヤー』は、最初の内はパターンが嫌いだったが、使っていて特別問題はなかったので、結構気に入ってしまった。 また、今日スピード☆スターの水口さんに使ったタイヤをお見せしたら、ドロドロと溶けておらず、サラッと溶けているので、恐らくシリカが入っていないのが良いのではと仰っていた。水口さんによると、シリカが入っていると、低温時にもグリップするが、熱ダレもしやすいとのことだった。そうした意味では、『クオリファイヤー』は、割かし走り始めからすぐグリップしていたので、冷えていても食って熱ダレもしないという意味で、“良いとこどり”のタイヤだと思われるが、研究開発費を4.6倍の効率で利益にしてくるBSの新製品がアッという間にこれをしのぐ良いタイヤを出してくるだろう。(笑) ちなみに、私は今回の走行会で、タイヤがグリップし過ぎるのは、かなり走っていてつまらないと思ったので、今度からはツーリングタイヤで走ろうかと思っている。サーキットを走っていると、ライバルに差をつける為に、どんどんタイヤのグレードを上げていってしまうのは、サーキット野郎の悲しい性だが、そうやってタイヤのグリップ力に頼った走りをしていると、タイヤをコントロールするのではなく、タイヤにコントロールされてしまう。そして残念なことに、そのことを指摘する専門家もあまりいない。否。ほとんどいない。理由。タイヤメーカーの儲けにつながらないからである。従って、インターネットの住人である私からの助言としては、特に経済性と楽しさを両立されたいサンデーライダーに対しては、タイヤは御自身のおサイフの中身と相談してセレクトして頂きたいと切に思う。タイヤ代が捻出できずにサーキットを去るライダーは、意外に多いのだ。 えっ? 何々? 自分は選手権を走っているって? 消費者金融に行ってでも金をつくって、1番柔らかいタイヤを買いなさい! なぜならば、チミは人生を棒にふったのだから。(笑) ★yktさんへ追伸 yktさんはラストチャンスを“モノ”にしたようでした。(笑) ちなみにZX-9Rは、バラしたら、右側のフロントフォークが数ミリ曲がっていたことが判明いたしました。(笑) 今後は、ホーネット600の時のように、まともな中古車しか乗らないようにしたいと思います。(笑) 注:写真を撮ってもらったアルバイトの津田さんが、背後霊のようにガラスに写ってしまいました。 |
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