Erv's Letters index Text by Erv Yamaguchi


始まったバブル 2005年11月29日 18:28

 千代田区の一部の土地においては、すでにバブルが始まったようだ。これらの土地では、土地を有効利用する目的ではなく、明らかに転売を目的とした売買が行なわれている。
 つまり、買ったらすぐに買値よりも高い価格で売り払い、買った人もまた更に高い価格で売却と、どんどん売買がエスカレートして、土地の価格が実態価値を上回るのである。
 この結果、最後にババを引くのは誰なのだろうか? 過去の歴史においては、最後にババを引いたのは、RGV250ガンマだった。

 80年代の空前のロードレースブームを支えたのは、SP250だった。しかし、このクラスは現在は墓場で眠っている。
 ホンダとヤマハは、先見の明があったのか、甘い汁を吸った後は、このカテゴリーから撤退し、スズキは最後にこのクラスにニューモデルを投入した為、ババを引く形となった。不運である。

 ところで、80年代はロードレースブームだったが、現在は何のブームだろうか? 現在はビッグスクーターのブームである。
 では、ビッグスクーターのブームには終わりが来るのだろうか? 終わりは来るだろう。
 ビッグスクーターは、デザインに優れたマジェスティが引き金となってブームに火がついたが、ビッグスクーターは、初めの頃は若者にとってのファッションの一部だった。しかし、ホンダがこのカテゴリーに参入したことで、ビッグスクーターは若者のファッションから、サラリーマンの通勤の道具に成り下がった。
 皮肉なことに、技術力のあるホンダが本気を出せば出すほど、ビッグスクーターはファッションではなく、ただのパリティ(ありきたりな)商品に成り下がるのである。

 ちなみに、このカテゴリーで最後にババを引くのは誰だろうか?
 ガンマよろしく、スズキである気がしてならない。ヤマハとホンダは、まるで青い目をした投機家のように、逃げ足が早そうである。
 歴史は繰り返すのだろうか? 繰り返すかもしれないし、繰り返さないかもしれない。
 もしスズキが歴史に学ぶのであれば、スズキはこのカテゴリーから最初に逃げたほうが良いだろう。
 しかし、逃げるに当たっても、今からいきなり逃げる必要はない。もっと絶妙で狡猾な手がある。
 それは、現在売っているスカイウェイブの販促費をどんどん減らし、思い切って商品価格を引き上げるのである。そうすれば、売上が減少している間も、利益は増加して笑いが止まらないだろう。これは、誰も語らないマーケティングの裏ワザである。

 復讐という名のスープは、冷めた頃が1番うまい。




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