Erv's Letters index Text by Erv Yamaguchi


『バイカーズステーション』誌の欺瞞 2006年9月16日 18:35

 以前から私は、雑誌の広告に対する費用対効果に対して懐疑の目を向けてきたが、私だけでなく、実際に広告を出した経験のある零細企業ならば、広告にはうぬぼれという問題があることはすでに御存知だろう。そう、我々零細企業の広告代理店に対する最も典型的な苦情は、彼らが自信過剰だということである。
 しかし、である。『バイカーズステーション』誌の10月号69ページの同誌編集長の佐藤氏の記事を読んで、自信過剰なのは、むかつく広告代理店の営業マンだけでなく、雑誌の編集長までもが自身過剰であるということに私は気付いた。
 この記事において、佐藤氏は『バイカーズステーション』誌における広告の優位性について語っているが、この内容を盲信する業者もいることだろう。しかし、反論権が担保されているインターネットにて、私は別の視点からこの問題を考えてみたいと思った。ちなみに、あなたが読んでいる文章は、人類が言語を発見して以来の大発明と持ち上げられたインターネットを、ただの重箱のすみつつきにまで堕落させた功績を誇る2ちゃんねるではなく、東京に住んでいる山口仁という人物が書いた文章なので、よろしく。

 さて、佐藤氏をはじめ、自分達だけの離れ小島に住まう広告の肩を持つ人達は、広告は売上を伸ばすと主張している訳だが、不思議なことに彼らは滅多に自社広告を出さない。(出すのは多くの場合求人広告である)なぜ彼らは、否、もっと具体的には、なぜ『バイカーズステーション』誌は、自社広告を出さないのだろうか? 例えばである、あなたは電車に乗ることはあるだろうか? 私はたまに学芸大学から渋谷までの区間、東急東横線という電車を利用する。するとそこには、様々な雑誌が吊り広告を出している。こうした広告により、読者数が増えれば、広告主も自然と集まり、良い循環が生まれるのではないだろうか? 佐藤氏は語っている。広告を出す資金がないから出さないのではなく、収益の減少に歯止めをかけ、上昇カーブとするために広告を生かすべきだ、と、なるほど。では、『バイカーズステーション』誌もまずは収益の減少に歯止めをかけ、上昇カーブとするために広告を出してみてはいかがだろうか? そうすればおのずと読者数も増え、だまっていても広告主が集まるのではないだろうか? つまり佐藤氏がかかえるこうした自己矛盾は、「俺の言う通りにしろ、やっている通りにはするな」という論理に帰結する。

 しかし、佐藤氏は『バイカーズステーション』誌の広告主を集める事に必死なあまり、真実に対して盲目的になっているのかもしれない。しかし、本当に他人からお金を得る為に、彼らは必死になっているのだろうか? そこにはおごり高ぶりは無いのだろうか?
 えっ? 何々? おまえはそもそも広告の効果を試したことがあるのかって? よくぞ聞いてくれたよ。そう、私は1990年から数回に渡り、そのものズバリの『バイカーズステーション』誌に広告を出したことがある。その時の広告の効果は、ゼロである。もう1度言おう、何度出そうが、広告を見て来店した客は皆無などころか、問合せ件数すらゼロである。
 それでも私は、若かったせいか、同じ過ちを繰り返し、1996年には、自分が主催していた草レースの広告を『バイカーズステーション』誌に掲載したことがある。当時は全て電話での受付だったし、電話は私が全部受けていたのだが、その時に私は、問合せてきた方には、どこで私の主催するレースの存在を知ったのか必ず聞くようにしていたので、100%パーペキなマーケットリサーチを行なっていた。その結果、『バイカーズステーション』誌の広告を見て参加したという参加者は皆無などころか、問合せ件数すらゼロ、であった。私の説明は回りくどいが、ストレートに言えば、広告の効果は全くなかった。
 こうして、若かった私は広告には効果がないという事実を学ぶ為に、数10万円もの授業料を支払ってしまった訳だが、私はその後、サーキットにて、『バイカーズステーション』誌の佐藤氏と初めてお会いすることが出来た。私は広告に効果が無かったとは言え、それはあくまでも自己責任の範疇であり、少なくとも自分の店やレースを紹介させてもらった事は事実なので、普通の社会人として、佐藤氏に名刺を差し出し挨拶した。すると佐藤氏は次のように語った。「あんたここで何しているのかね?」。私は答えた、「自分の主催するレースの宣伝活動です」。すると佐藤氏は、名刺交換に応じることなく、私との会話は中断し、私の友人が連れてきたキャンギャルの女性の撮影を開始した。この一連のやりとりで私が理解したことは、佐藤氏の性別は男だ、というものである。

 しかし、である。この愛すべき特徴を兼ね備えた『バイカーズステーション』誌編集長の佐藤氏は、私が出した広告に効果がなかったという事実に対して、次のように反論するかもしれない。「おまえの広告に効果がなかったのは、定期的に広告を出さなかったからだ」と。
 たしかに佐藤氏の主張にも、一理ある面もある。それは、定期的に広告を出せば、必ずユーザーの記憶に残るという意見だ。
 そう、私は以前から『バイカーズステーション』誌に広告を掲載していた根岸研磨さんという研磨屋さんのことが記憶に残っていたので、ホイールやフレームのバフがけの見積もりを依頼しようと、この根岸研磨さんに電話をかけたことがある。まさしく、佐藤氏の言う通り、必ずやユーザーの記憶に残っていたのだ。そして私は根岸研磨さんに対し、まず、バフがけの大体の値段を尋ねたが、返答は次のようなものだった。「値段って言われてもね〜…」電話に出た方は、冷やかし電話は迷惑なんだよといった横柄な態度だった。私は大体の金額でいいので、例えばホイールをバフがけした場合、いくらくらいになるか教えて欲しいと再度尋ねてみた。すると、つっけんどんに「6万円」という答えが返ってきた。私は、アクティブさんが発売しているゲイルスピードのポリッシュの価格と比較して、費用対効果は薄いとすぐに察知したが、そうした金額的な問題もさることながら、電話対応が収支横柄な態度だった為に、根岸研磨さんには仕事は依頼しないことにし、その旨を知り合いの業者に全員伝えた。(そしてあなたもそのことを知った)こうした、広告費用を使ったにも関わらず、未来の売上をも失うことを、あなたは何と呼ぶか知っているだろうか? 「ふんだりけったり」である。 えっ? 何々? それは広告主の立場での表現で、顧客の立場だと違う呼び方だって? 仰るとおりである。あなたが言うように、この現象は、顧客の立場に立った場合には、「身から出た錆」に変化する。
 ちなみに、インターネットでサクサクっと検索した結果、こちらのバフ屋さんでは、ホイールは1本15000円からバフがけするそうである。(電話対応チェックはあなたの仕事だ)

 と、現在では、雑誌など見なくても、インターネットでサクサクッと検索すれば、多くの業者を発見することが出来るが、佐藤氏はこの考えに異議を申し立てている。佐藤氏によれば、星の数ほどあるサイトの中から、ユーザーが自分のサイトにたどりつくと信じるのは楽観的だとのことである。なるほど。
 ちなみに、『バイカーズステーション』誌の10月号の98ページには、『バイカーズステーション』誌の公式ウェブサイトの宣伝が掲載されていた。それによると、『バイカーズステーション』誌のウェブサイトには、月間2000人の訪問者がいるそうである。うん? 2000人? ケタを間違えていなければ、たしかに星の数ほどあるウェブサイトの中から、『バイカーズステーション』誌のサイトにたどり着くのは難しそうである。たしか、かの有名な小林ゆきさんのブログは、1日2000人程度の訪問者数だと思ったが、私のサイトのトップページの過去6ヶ月間の平均のアクセス数は、月間16591人で、重複をのぞいたユニークアクセスで考えると8422人で、それでも『バイカーズステーション』誌のウェブサイトの4倍である。また、全く更新しないロムシーのサイトが、月間7132人で、ユニークアクセスが4717人で、更新しないサイトですらこれだけの人が訪れている。ちなみに、私のサイトは、特に『アーブの手紙』の更新頻度によってアクセス数が上下する訳だが、『アーブの手紙』の更新頻度が高かった2005年には、11月にアクセス数の最高記録を達成したが、この時には月間のべ29637人(1日987人)が訪問し、ユニークアクセスは15218人(1日507人)だった。しかし、その後『アーブの手紙』を削除したことでアクセス数は激減し、現在のレベルに回復するまで相当に時間がかかった。こうした自分の経験を省みて考えた場合、『バイカーズステーション』誌のウェブサイトに人が集まらないのは、単に企業努力が足りないのではないかと私には感じられる。試しに『バイカーズステーション』誌のウェブサイトをのぞくと、いきなりドアページがあった。ウェブユーザビリティの観点から、トップページがまず失敗サイトである。あとはウェブユーザビリティとか、ウェブアクセシビリティとかの本で勝手に本人達が勉強すればいいだろう。または、SEO対策のことなら、TWMCの井出さんに聞けば、5時間くらいは講義してくれるだろう。(私は無料だったが、あなたは有料かもしれない)

 私の話を聞き分ける能力がある方に向けて話を続けよう。佐藤氏は同記事において、星の数ほどあるウェブサイトの中から自分のサイトへ顧客を導くには、まずは雑誌広告で注目を得る必要があると説いている。雑誌自体の注目度が下がっているというのに、この意見に信憑性はあるのだろうか? そもそも、自分の雑誌でカラー広告を使って自社サイトを宣伝しておきながら、月間2000人のアクセスしかないのならば、白黒1/4ページや1/8ページや、ましてや1/16ページの広告で、自社サイトへの訪問者数など増やせるのだろうか? たしかに、星の数ほどあるウェブサイトから自分のサイトに顧客が訪れると考えるのは楽観的かもしれないが、広告を出す、つまりは金さえ支払えば訪問者が増えると考えるほうが、もっと楽観的というか、ビジネスに対して怠惰的な態度なのではないだろうか? つまり佐藤氏がかかえるこうした自己矛盾は(以下略)。

 私の話を聞き分ける能力がある方に向けて話を続けよう。佐藤氏は、よい仕事やよい商品に対してお金を支払ったユーザーがいて、その仲介者である『バイカーズステーション』誌にも収入があれば、広告は、出す人、受け取る人、仲介者すべてのものだと語っている。本当だろうか? 良い仕事をしない(電話応対がまともに出来ない)、あるいは良い商品がない(他をあたりたくなる高単価)、といった業者が広告を出しても、実際には仲介者に利益が出ているので、これは単に美辞麗句(きれいごと)なのではないだろうか? これが、私が最も強く訴えたい、国内2輪専門誌の広告における欺瞞性であり、佐藤氏がかかえるこうした(中略)よく言うよ、まったく。

 さて、このままだと、単に批判の為の批判といった、キング・オブ・批判家のレッテルを貼られるので、共産党や社民党とは異なり、建設的な代替案も零細企業に対してアドバイスしてみよう。
 例えば、である。『バイカーズステーション』誌をパラパラめくると、例の根岸研磨さんの広告の隣に、知人の牛山さんが1/16広告を出していた。するとそこには、49800円の車検が宣伝されていた。広告代金は8925円である。これで月に何台の車検の仕事が取れるか未定だが(私の予想では、0か1といった2進数のレベルだと思われる)、私は試験的にグーグルのアドワーズ広告で、『バイク 車検』と打ち込むと表示される広告をパパッと作ったところ、クリック単価は11円だった。ちなみに、『バイカーズステーション』誌は全国紙なので、北海道や沖縄に住むユーザーの記憶に残る広告を出すことが可能だが、車検という地域密着タイプな仕事の広告を出す為に、アドワーズ広告における地域は“東京”に限定した。これで北海道や沖縄の人が間違ってクリックすることもなく、東京に住む、バイクの車検に興味のある人だけが広告をクリックし、その際にグーグルに支払う料金は、1クリック11円である。また、仮にクリックする人の数が膨大になってしまった場合でも、1日の予算に上限を設定することも可能なので、クリックされまくって経費過多になる心配もなく、また、今回の設定において、ムカつく営業マンとの会話や電話での打ち合わせ等もなく、ほとんど数分で設定は完了し、設定が終わればほとんどリアルタイムに広告が表示され、広告の文章を変えたければ、これまたリアルタイムで変更が可能である。また、広告を出すのをやめたくなった場合も、中止はリアルタイムである。1〜2ヵ月後に掲載が予定され、締め切りを過ぎたら原稿内容の変更ができない雑誌広告の一種である『バイカーズステーション』誌が提唱する最も安い広告枠の8925円に対して、確実に効果測定が可能なインターネットの1クリック11円のアドワーズ広告が存在すると言うのに、これでも自社サイトにユーザーを導く方法において、雑誌広告が必要だと言えるのだろうか?

 では次に、なぜ雑誌広告が、その実務的機能を失ったのかについて検証してみよう。
 さて、国内2輪専門誌にたずさわる人達は、日進月歩で進歩するオートバイに常に関わっている訳だが、『バイカーズステーション』誌の佐藤氏もまた、佐藤氏が好きだというGSX-R1000は、2世代前と最新型では、比べるのが気の毒なほどの差があると語っている。
 こうした、比べるのが気の毒なほど進化するオートバイの記事を提供しておきながら、面白いことに雑誌の広告はほとんど全く進化していない。内容も提供の仕方も、ほとんど永遠を感じさせるほど無進化である。これが、この進化の無さが、国内2輪専門誌の広告に実務的機能が失われた最大の理由である。(2世代前のGSX-R1000よりもお気の毒だ)
 誤解してもらいたくないのは、私は全ての広告を全否定している訳でもなく、全ての広告に効果が全くないといった極論を語っているのではない。そう、大昔ならば、ちゃんと広告にも効果があったのである。しかし、まだほとんど広告というものが世の中に存在しなかった頃には、広告は多くの人達の関心を呼び、その広告に書かれた商品は実際によく売れたのだが、その後、広告がマーケティングの中心的な役割を担うにつれ、広告の量は増大し、人々は広告に関心を示さなくなってきたのである。そう、量の増加が質の低下を招いたのだ。
 しかし、冒頭にも述べたが、広告の肩を持つ人達は、これまでの実績にあぐらをかき、自信過剰になってしまい、内容に進化がなくても、これまで通り広告には効果があると訴え続けている。しかし、実際には世の中は進化しているので、昔は肩で風を切っていたマーケティング界の王様は、現在では裸になってしまった。
 理由を考えてみよう。コンシューマリズム(消費至上主義)に消化不良を起こし始めた現在の冷めた目線の消費者達は、すでに広告はありがたいものというよりも、迷惑なものとして考えている。テレビのリモコンを人々が好むのは、CMを飛ばしたいからなのだ。同様に、雑誌の広告にも人々は関心がなくなっている。それどころか、国内2輪専門誌の常套手段である、広告主を呼び込む為の“タイアップ記事”に対しても、うさんくささは禁じえず、むしろ商品のイメージが悪化したりもする。「広告が入っている商品を雑誌側が悪く言うわけないよな〜」といった具合だ。しかし、現在では、こうした事実を踏まえ、広告に頼らないマーケティング戦術を開発する大企業が増え始めている。トヨタなどは、アメリカでの若者向けの車両の販売では、すでに広告は逆効果だと考え、マーケティングの手段は、広告からPRに移行している。また、スターバックス創始者のハワード・シュルツは次のようにも語っている。

「消費者は従来ほど広告に注目しないし、たとえ見ても内容は信じてもらえない。広告では新しいものをなかなか打ち上げられない時代になっている。広告費用もバカにならない。高額な広告料を払えば、それだけ見返りがあるはず、といまでも信じきっている人の気がしれない」

 御存知の通り、スターバックスは大成功したコーヒーチェーンだが、スターバックスはほとんど広告費を使っていない。しかし、独自のマーケティングで大成功したという好例である。
 悪い例も紹介しよう。アメリカで、ペット商品をインターネットで売る企業、その名もズバリ、『ペット・コム』が立ち上がった時、この企業は佐藤氏のアドバイス通り、まずは自社サイトを宣伝する為に広告に頼った。雇われた広告代理店は、大体的なキャンペーンをブチ上げ、この広告は大成功し、『アドバタイジング・エイジ』誌は、「ドットコム企業の広告キャンペーンの最高傑作」と持ち上げた。しかし、半年間の間に、この企業は売上の3倍以上の広告予算を使ってしまい、倒産までにあまり時間がかからなかった。しかし、企業は消えてなくなったが、広告代理店の信念は消えなかった。「ビジネスモデル、マーケット状況、株価、資金融資といったことは、私達の影響の及ぶところではありません。そういうことは広告の成功とは無関係なのです」と広告代理店の社長は語った。

 こうした様々な例を知るにつれ、私は20代の頃に支払った、雑誌広告には効果がないという授業料を取り戻す為に、30代に入ってからは、広告に頼らないマーケティング戦術について独学するようになった。そして、もうムカつく広告代理店の営業マンとは関わりあわないようにしようと決意した。そして次に考えたのは、私の経験を中小零細のバイク屋さんに伝えることで、それらのバイク屋さんに無駄な経費を使わせず、逆説的には、国内2輪専門誌には、イメージ広告を出すことのほうが有利なブランド企業、つまりは、大口の顧客に対する営業活動を強化し、自身の死期を早めないようにしてもらいたいということである。電話応対もまともに出来ない中小企業の広告など出していては、その雑誌のイメージも悪化するだろう。そして、前述した例を出すまでもなく、えてして中小零細企業は、電話応対などまともに出来ないケースが多い。(彼らは仕事に追われてイライラしている)佐藤氏は例の記事で、自分達が目指すものは、“正直さ”だと語っているが、もし彼らが本当に正直者ならば、安い広告主よりも、大口の広告主を集めたいというのが本音だろう。誤解してもらいたくないのは、私は『ロードライダー』誌編集長のセニョール月岡などは徹頭徹尾忌み嫌っているが、『バイカーズステーション』誌や佐藤氏を嫌っている訳ではない、むしろ愛すべき部分も色々ある。だからあえての苦言を呈すなどというキザなセリフを吐く訳ではないが、零細企業たるバイク屋さんは、時代遅れの雑誌広告など出すよりかは、オートバイよりもむしろはるかに進化しているマーケティング手法に頼って頂きたいと切に願うのである。
 えっ? 何々? そんなきれいごとは信じられないって? ならばどうして2輪業界の“鼻つまみもの”の役を買って出てまで、こんなことを発信者負担で語っているのだね?
 えっ? 何々? 自分で“イイ人”を演じる奴は更に信用できないって? それは、名刺交換が出来ない誌上の聖人君子のことかね? それともメーカーの御用雑誌の悪夢たる私のことかね? えっ? 何々? オマエのことだって? 分かったよ、行間から全てを察することが出来るチミ達rider2.0には脱帽するぜ。そう、現在の主流のマーケティング手法においては、チームワークなどありえないのだ。つまり、現在必要なのは、有能なスポークスマンの存在であり、ビル・ゲイツ、ルー・ガースナー、スティーブ・ジョブス、マイケル・デルといった有能なスポークスマン達は、どいつも業界の“鼻つまみもの”なんじゃないのかい?
 つまりは、私は彼らのことを尊敬しているので、2輪業界の重鎮の私に対する悪評など意にも介さないどころか、彼らが最も唾棄すべき怪物になるのが私の目標なのである。もちろん、どこの馬の骨とも分からない若造が名刺を差し出しても、歯牙にもかけず無視できるようにもなりたいものだ。(かつての私がそうされたように)

 最後に、もし私が雑誌広告に対してまだ弁護する余地があるとすれば、売上を上げる必要のない広告であれば雑誌広告を出すことにもやぶさかでない。そう、その広告とは、廃業を告知する広告である。
 面白いことに、雑誌広告には売上を上昇させる効果があると力説する佐藤氏の記事の真上には、売上を上昇させる必要のない、9月30日で廃業する『ワークス』さんの広告が掲載されていた。こうした、これまでの顧客に対して感謝の意を表す廃業の告知の広告の掲載においては、後世まで保存される雑誌広告は非常に有効である。そして、広告の費用対効果、つまりは売上を心配する必要もないので、訪問者が増えてしまうインターネット広告よりかは、訪問者が増えない雑誌広告向きである。いや、むしろ今回の『バイカーズステーション』誌の広告の中で、最もサイトのアクセス数の上昇に貢献したのは、消費者の立場で考えれば、ものを押し売りされる心配のない『ワークス』さんの廃業告知広告だったのかもしれず、もしそれが事実となったならば、自らの店の死期を早めたい方は、すぐに雑誌広告を出すべきだろう。そして、過去の祭壇の上で未来を屠殺して頂きたい。




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