Erv's Letters index | Text by Erv Yamaguchi |
共産党アレルギーに対する緩和 2008年5月19日 13:40 |
皆さんは共産党に対してアレルギーはあるだろうか? 正直に告白すれば、市場原理主義者で拝金主義者で金持ち崇拝で自動車が大好きでバイクも大好きだった昨年までの私は、共産党に対してアレルギーがあった。(笑) 実際、昨年までの『アーブの手紙』を読み返すと、ところどころに、「共産党や社民党とは違い、代替案を出してみよう」という表現が使われている。これは、共産党や社民党は、反対の為の反対を行っているだけで、代替案がないという与党や電波芸者の田原総一郎がよく使うフレーズをそのままパクったもので、今読み返すと、我ながら恥ずかしい想いがする。(笑) しかし、もしかしたら、これを読む読者の中にも、未だ共産党とか、共産主義に対して嫌悪感を持っている方もいるかもしれないが、私自身が以前は嫌悪感を持っていた人間なので、逆説的に言えば、そうした人達の気持ちもよく理解することが出来る。 私自身の話をしてみよう。私自身は、“自由民主主義”というのは、何だか自由にやれそうだし、実力さえ発揮すれば、自分もいつか必ず成功して金持ちになれると、極めておめでたい調子で考えていたので、共産主義とか社会主義とかはバカげていると若い頃には考えていた。 また、私が幼少の頃は、東西冷戦の時代で、ソ連というものに対する嫌悪感も強かったし、北朝鮮などもひどい国だと考えているし、中国共産党もあまり褒められた政権だとは思えないので、そうした現実から照らしても、共産主義とか、それを標榜する共産党など、社会におけるアンチテーゼ程度の意味あいしか持たないと蔑視していた。 しかし、今年に入ってから、私自身が社会民主主義者にコロッとくらがえしてみると、市場原理主義とか、資本主義をこのまま推し進めると、どうやら人類全員が『負け組』になることが理解されてきて、仮に、このまま市場原理主義を自分自身が抱いて、20年後に大成功してビル・ゲイツになったとしても、その20年間は相当キツそうだと思えたので(笑)、豪邸に住みたいとか豪華な別荘を持ちたいとか、フェラーリとベントレーを毎日交互に乗りたいとか、イカしたチャンネーとヨロシクやりたいとか、そうした価値観よりも、浮浪雲(はぐれぐも)みたいに無為自然で生きてる方が数倍楽しそうだと考えるようになった。 こうして、市場原理主義や資本主義、更には、コーポレートクラシー(企業利益優先)を推し進める為に注入されたネオリベラリズム(新自由主義)の欺瞞性について独学し、更には、それとは正反対の反資本主義や、マルクスの提唱する共産主義などについても調べて行くにつれ、だんだんと共産党に対する偏見やアレルギーも緩和されるようになってきた。 また、これは地球規模での大きなイデオロギーに関する私の感想だが、それとは別に、2輪業界保守論壇ホステスの小林ゆき氏のおかげで三宅島バイクレースについて色々と調査するにつれ、石原都政のデタラメさをしっかりデータを元に糾弾しているのが共産党の都議と村議で、それ以外にも、以前紹介した国会での派遣労働に関する共産党の志位和夫氏の質問等を見ても、こうした党が存在しなければ、実際この国はマジヤバイと思えるようにもなってきた。 しかし、低学歴の私などと違い、しっかりと大学あたりで勉強している高学歴の人達は、まんまと世の中に騙されてきた私などと違い、若い時にすでにマルクスについても勉強しているようで、資本主義と共産主義に対して、偏見を持たずにニュートラルな視点で捉えている人も少なくないようだった。 ちなみに、イギリスのBBCが2005年に行った調査で、歴史上最も偉大な人物は誰かと言う質問に対して、多くの保守派をくやしがらせる結果として、なんとマルクスの名前が最も票数が多かったと言う。 同様に、我が国においても、最近ではマルクスに関する本などが売れているらしく、全世界的に、資本主義はマジヤバイという気運が高まりを見せ、それと同時に、その解決策を模索するかのように、マルキシズムに救いを求めるという意識が高まっているようだ。 そして、18日(日)に放送された『サンデープロジェクト』では、日本共産党の志位和夫委員長を招いて、『あえて今、資本主義限界論!』というタイトルで、マルクスについて志位和夫氏から話を聞くという内容の番組を放送していた。 実は前の週には、以前の共産党委員長である不破さんがゲストで出演していて、その際にも、不破さんが共産党に入った理由として、マルクスとの出会いについて語っていたので、番組に対してこうしたリクエストが多かったのかもしれない。 これまでのサンプロでは、電通べったりの田原総一郎が、ネオリベラリズム(新自由主義)陣営を擁護するような番組作りをし、与党と野党を討論させても、共産党は一蹴してしまうという場面が多かったが、今回のこの特集では、田原もおとなしく話を聞くというスタンスだった。(笑) また、この特集により、日本共産党のイメージもだいぶ良くなったのではないかとも私には思えた。 高画質な映像で見たい方は、こちらのファイルをダウンロードしてください(MPEG1、267MB)。 すぐに見たい方は、画質は劣りますが、↓はYouTubeにアップされていたものです。 【あえて今、資本主義限界論! Part1】 (7分49秒の映像です) 【あえて今、資本主義限界論! Part2】 (9分49秒の映像です) 【あえて今、資本主義限界論! Part3】 (6分59秒の映像です) 文字化された内容(2008年5月19日(月)「しんぶん赤旗」より) |
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