Erv's Letters index | Text by Erv Yamaguchi |
我が愛すべきホンダへの期待 |
2009年2月24日 12:04 |
ホンダが、我が愛すべきホンダが社長交代するそうだ。もちろん、ライバルのトヨタなどと違い、ホンダに世襲はない。おおっ! なんて素晴らしい企業なんだろう! 我が愛すべきホンダは! ホンダの社長交代に乾杯! 世襲に戻ったトヨタにファック! ちなみに、ボンボンセンスでF-1などにまだ参戦しているトヨタと違い、ホンダはいち早くF-1から撤退するという素晴らしい英断を下したことはすでに皆さんご存じだと思うが、残念ながら、これまでの福井社長は、社長になる前は、主に2輪車の開発やレース活動に従事していたので、情が働いたのか、motoGPからは撤退しなかったのが、いちホンダファンとしては非常に残念である。 しかし、新しい社長は、とっととリストラを始めて、経営資源を何かに集中させると記者会見で語っていたので、motoGPの撤退はもちろんだが、それ以上にもっとバカげた飛行機とか、あのバカげたロボットなどからも、とっとと撤退して頂きたいと、いちホンダファンとしては強く希望したいと思う。 ところで、ホンダが作っているものの中で、最もバカげているのは、前述の飛行機だが、この飛行機の製造は、創業者の夢だったと語られることが多い。そう、あのタダのワガママ放題のワンマンナントカだったエロオヤジが、「乗り物なら何でも好き(はあと)」センスで語っていただろうことは、誰の目にも明らかだが、こんなモンを作って多角化ならぬ“多悪化”に走っているから、同族のファックン・トヨタなんかに生産台数で水を空けられたりするのだ。飛行機作って川重にでもなりたいのかね? ホンダのバカ経営陣は。何でもかんでも作りたいモン作って利益率が少ない川重とかの悪いお手本があり、クルマよりも製造ラインを愛すファックン・トヨタに差をつけられているというのに、「何やってんだ」という気分だ。いちホンダファンとしては。 えっ? 何々? あの2足歩行のロボットの件? 全く、文章にするだけでもハラが立ってくるよ。ソニーを見たまえ、あのパラパラ踊るロボットとか、犬の形をしたロボットなど、青い目経営者がとっととカンオケに放り込んだだろう。それでソニーのブランドバリューがいささかでも減じたのかね? ソニーのコアなファンがよそのブランドに鞍替えしたのかね? そんなことはないどころか、今となっては、誰もソニーがロボット作ってたことなど覚えちゃいないよ。全く。 そもそもだよ、どんだけエロオヤジ、いや失礼、創業者に気を使ってんだという調子だが、仮にホンダの経営陣が、そんだけエロオヤジ、いや失礼、創業者の意思を尊重するのなら、もっと他にやるべきことがあるだろうと私は言いたい。いちホンダファンとしては。 そう、私が考えるホンダのエロオヤジ(メンドーなのでこのままいかせてもらうよ)の素晴らしい点は、ただ一点のみであり、以下にはそれについて語っていくとしよう。 ★ホンダDNAとしての世襲禁止 政治の世界を見てみよう。世襲で政治をすると、漢字が読めなかったり酒飲んで泥酔したり女をレイプしてウヤムヤにしたりする人達が政治を仕切ることで、国が亡国へとまっしぐらに突き進んでしまうことは、誰の目にも明らかだろう。 こうした世襲の弊害を直観的に理解していたエロオヤジは、自分の会社だけは、絶対にドラ息子には継がせないと、ホンダでは世襲を禁止した。 これが、このことこそが、私が考える、ホンダの最も素晴らしいDNAだと思う。ちなみに、ドラ息子が経営する『無限』が10億円の脱税で有罪になった時には、エロオヤジもあの世で、「ああ、本社に継がせなくてホント良かった」と、胸を撫で下ろしたことだろう。いや〜、ホント、エロオヤジ、あんたはスゲーよ! 我が愛すべきホンダに敬礼! しかし、こんな素晴らしい経営者も、唯一決定的に重大なミスを犯し、エロオヤジ自身が、このミスを悔やんでいた。では、以下には、エロオヤジ自身が悔やんでいたという、ホンダの致命的なミスについて語っていくとしよう。 ★名前 エロオヤジが犯した決定的、及び致命的なミス、そして、エロオヤジ自身が死ぬまで唯一の失敗だと認めたこと、それが、ホンダの社名だ。 エロオヤジは、例えば『ソニー』とか、絶対に創業者の名前を彷彿させない、世の中にないような新しい名称を社名にすれば良かったと、死ぬまで心底悔やんでいたのだし、例え世襲は禁止していたとしても、後に続く経営者が創業者に対して情が働いて、飛行機飛ばしたりといったバカげた行動に走るのだから、ここはひとつ、創業者がやり残して出来なかったこととして、『ホンダ』という社名を変更するべきだと私は前々から強く願っていた。いちホンダファンとして。 例えば、新しいホンダの伊東さんは、アメリカに在任中にアキュラブランドのクルマの開発を手がけたことがあるそうだが、『アキュラ』というのも、非常に優れたブランド名だと思う。ホンダの5億倍くらいいい名前だ。 松下を見てみよう。松下は、『ナショナル』という、あまり外国人ウケしないようなつまらない名称は昭和のオイニーしかしないということで、このブランド名を捨て、松下という創業者の名前も捨て、ブランドを『パナソニック』に統一して社名変更をはかった。松下が松下の名前を捨ててパナに移行するとは、どういう意味なのだろうか? もうマネシタ電気はやめて、他人のマネはしないという意味である。素晴らしい英断だ。 そして、この社名の変更には、過去と縁を断ち切るという素晴らしい利点だけでなく、別の利点もある。それはマーケティング効果である。通常、企業が名前を売るには、広告を出す必要があり、広告には金がかかる。しかし、現在のホンダにこれまで以上の広告費を捻出する余裕はない。それは社名変更以前の松下も同じである。しかし、松下が『パナソニック』になれば、マスコミが大きく食い付く。すると、ニュースやビジネス系のテレビ番組でも大きく取り上げられるようになり、これがPRになるのである。『PR』。意味分かるかね? そう、パブリック・リレーションの略だよ。つまり、広告には金がかかるが、“広報”ならタダなのだよ。これ程効率的に自社を売り込める方法はなかなかない。 しかしだよ、中途半端な社名変更では全くニュースにならない。『カヤバ工業』が『KYB』とか、『石川島播磨重工』が『IHI』とか、この程度の社名変更ではニュースにならない。つまり、『本田技研工業』が『ホンダ』となっても、誰も何とも思わない。水たまりは一気に飛び越える必要があり、「まずは半分だけ飛んでおこう」などと考える人はいないように、社名変更は大胆でなければマーケティングの効果はない。 ところが、こうした私の意見は、いつの時代でも異端として扱われる。つまり、多くの経営者は、結果が分からない新しい可能性に対して及び腰になってしまうし、すでに確立している名前にいつまでも執着する。そして、周りのボンクラ役員も、社名変更は企業の名声を傷つけるだけだと反論し、大抵の社名変更は中途半端なもので終わる。 しかし、ホンダの経営陣が、本当の意味で創業者をリスペクトするのであれば、ホンダは、一気に経済危機という名の水たまりを飛び越えるべく、創業者を彷彿とさせる『ホンダ』の名前を捨て、全く新しい名前を会社につけるべきである。 過去を振り返ってみよう。アップルはオフィス向けにPCを売る時には、リンゴの品種の一種であるマッキントッシュという名前で売った。アップル・オフィスとは名付けなかった。ロレックスが安い時計を売る時には、テューダーという名前で売った。ロレックス・チープとは名付けなかった。 ホンダが環境に気を使った遅くて燃費の良いクルマを売る為には、別の名前が必要である。クルマを速く走らせるつもりなど微塵もない年寄りと今どきの若造には、速さをイメージさせるホンダの名前はセールスにとって逆効果である。ロゴや背景色を緑に塗ってもイメージは覆されない。F-1から撤退したとしても、「今更エコとか言われても、これまでさんざんF-1とかやってたんでしょ?」と思われるのがオチだ。 また、速いバイクを作る部門や工場は、社名変更と同時に売却するべきである。そして、速いバイクを作る部門や工場を買ったオーナーは、ひたすら速いバイクを作ればそれで良い。そして、オーナーは新しい社名に“速さ”と“パワー”という名のブランドバリューを付加するべきである。 どうかね? これでmotoGPへの参戦意義が出来ただろう。ハイブリッドの4輪のメーカーが片手間でバイクなど作って良いことなど1つもない。 |
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