Erv's Letters index Text by Erv Yamaguchi


望まれる衆愚政治からの脱却
2009年3月31日 11:50

 ここのところの西松建設の政治献金問題の報道によりヨダレが出たので、西松建設の株を買って、この企業を“買い支えて”あげようかと思ったが、国交省が同社に対する公共事業の発注を減らしそうなので、残念ながら西松建設の株を買うことは、落ちてくるナイフを素手でつかむようなものだと思い、30秒くらいで思いとどまった。

 例えば、かつて三菱自動車のリコール隠し問題で、ミツビシの株価が大きく下落した時は、同社の製品を買わなくなったのは、メディアの報道に従順な日本人だけであり、海外の人達や、“忘れっぽい将来”(つまり現在)の日本人は、ミツビシのクルマを引き続き買うことが予想されたので、メディアが不祥事を起こしたミツビシを叩いた時は、ミツビシの株は絶好の“買い場”と言えた。が、しかし、西松建設の場合、商売の対象がパンピー消費者や外国人ではなく、公の機関にからんだ仕事なので、政府が国ぐるみでこの企業を窮地に陥れたのであれば、この企業の株価を回復させるのは至難のワザと言えるだろう。

★小沢一郎
 今回の“小沢ショック”においては、ネットで書かれているように、小沢サイドからは“ネズミ一匹出なかった”訳だが、かなり小沢一郎に厳しい見方をした場合でも、制限速度が40キロの道路で、時速45キロで走っていたというレベルの話であり、ドライバーは、制限速度が40キロの道路を時速45キロで走ることが悪だとは思っていないが、仮にそれで捕まっても、何も弁解が出来ないというのが現状となっていて、それをあたかも凶悪犯罪のように報道して小沢一郎を叩いたメディアは、単に与党の飼い犬であり、もっと言えば、自公政権という与党は、官僚の飼い犬であり、もっと言えば、官僚はアメリカの飼い犬であり、もっと言えば、人造国家アメリカは、全世界の富の8割を掌握する、ごく一部のエスタブリッシュメント(支配層)にコントロールされていると言えるだろう。

★森田健作
 日曜日には、千葉県の知事戦が行われ、東京、宮崎、大阪に引き続き、タダの自民党の犬が知事の座につき、東京、宮崎、大阪に引き続き、日本の国民の民度の低さが分かりやすく露呈された。
 メディアでは、小沢ショックにより、民主党に逆風が吹いた為に、完全無所属(笑)の森田健作が当選したかのような報道をしているが、ほとんどギャグのレベルである。
 ちなみに、小沢一郎は西松から10年間で3億円の金をもらったということでメディアから叩かれているが、完全無所属という大ウソをついた森田健作は、自民党への企業献金を4年間で1億5000万円迂回させて、森田が代表を務める資金管理団体に回していた。完全無所属どころか、ストレートに分かりやすい自民党の犬である。しかし、メディアが森田健作を叩くことは恐らく、ない。

★高橋洋一
 そんな中で、民主社会主義者や、プログレッシプ系の人間にとっては、大変愉快な事件が報道された。それは、悪名高いコイズミ・タケナカのブレーンだった、高橋洋一が窃盗の容疑で書類送検されたというニュースである。
 報道によれば、高橋洋一は、銭湯で他人のサイフと高級腕時計を盗み、本人も容疑を認めているということだが、新自由主義者独特の価値観が、窃盗という形に凝縮されているところが、(被害者の方には気の毒な表現だが)大変愉快だ。
 コイズミ・タケナカが推進した新自由主義は、ようするに、中流層を貧困層に突き落とし、それらの人達から富を奪っても、「それは自己責任だ」と一蹴し、貧しい者から富める者へ富を移動させたいという考えだった訳だが、ドロボーは他人からモノを盗む時には、盗まれた人達の憤りの気持ちなど全く配慮せず、「自分さえ良ければそれで良い」という極端な利己主義を全面に押し出す訳で、政府の規制は全て撤廃し、政府の仕事は全て民間に移管して、人間共を好き勝手に放っておき、その結果貧困層に落ちた人がいたとしても、その人達の生活など意にも介さないという非人道的な考えと、ドロボーの行動様式は非常に酷似している。

 しかし、この国は、正確にはこの国のメディアは、ドロボーを称賛するのが大好きであり、テレビ東京は日経新聞と手を組み、テレビ朝日は電波芸者の田原総一郎を使ってタケナカを持ち上げ、先日には、タケナカは『徹子の部屋』にまで出演していた。(笑)
 そして、イシハラや自民党と根深い関係にあるフジや産経新聞は、次の総理に相応しい人のアンケート結果にて、コイズミが1位に上がっていることをさかんに喧伝している。

★あまりにもワンパターンな歴史
 そろそろ本題に入ろう。
 「時代は繰り返す」というのは、使い古されたフレーズだが、今回の小沢ショックにて私が感じたのは、時代が繰り返したというよりかは、あまりにも世の中の出来事はワンパターンだというものである。
 私が小沢ショックのイメージをオーバーラップさせたのは、かの有名な田中角栄のロッキード事件だが、田中角栄はあまりにも長く続く戦後のアメリカの日本に対する支配に危惧し、アメリカからの独立をはかる為に、中国と手を組もうとしたが、結局アメリカのワナにハマって失脚した。
 この事件があったのは、私がまだ小学生の頃の話で、アメリカの証人に、“コーチャン氏”という人がいて、名前が“コウスケ”の私の父親のことを祖母などが“こうちゃん”と呼んでいたので、テレビでこの“コーチャン氏”が出てくるたびに、家族が笑っていたという思い出がある。
 しかし、大人になってこの事件のことを知ってからは、ようするに日本という国は、ただのアメリカの属国で、それに逆らう政治家はみんな失脚させられるという社会の法則の具現化が、このロッキード事件だと分かった訳だが、田中角栄が育てた虚の息子である小沢一郎は、田中的な金の汚さを引き継ぎつつ、アメリカの田中を失脚させた方法についてはぬかりなく研究していたハズだが、結局田中角栄に引き続きアメリカがコントロールするB層に対するメディア戦略のワナにハマッたことで、田中角栄の二の舞という結果になってしまった。(本人が逮捕されてないので軽傷とは言えるが…)

 しかし、現実問題として田中角栄は金に汚かった訳だが、単にアメリカ追従ではマズいと日中の国交を回復し、自ら率先して悪に手を染めた田中角栄は、中曽根からコイズミに続くアメリカ追従ラインに対する必要悪とも言え、新自由主義(ネオリベラリズム)や新保守主義(ネオコンサバティプ)をベースにしたネオコンネオリベの自公政権は、完全なる“不必要悪”である。

★選挙
 別にあなたが民主党を支持しなくても、小沢一郎が嫌いでも、それはそれで一向に構わない。しかし、選挙というのは、何度も言うように、よりよい政治家に投票するものではなく、“より悪くない政治家”に投票するものであり、あなたが中途半端な政治家に投票したところで、ありがたいことに、あなたの氏名等は公表されない。

 つまり言いたいこととしては、世界を牛耳るエスタブリッシュメントが日本人から富を搾取する為に、彼らはこれまで通りこれからも我々をブレーンウォシュ(洗脳)すべく、警察、検察、メディア等を使って政治工作してくるだろう。

 しかし、普通に世界を見渡しても、国民が幸せと感じ、国の経済も発展し成功しているのは、スカンジナビアモデル、つまり北欧の民主社会主義国であり、我が国も、少しずつ軌道修正して、市場原理主義によって痛めつけられた現状を打破した方が、皮肉なことに現在の勝ち組である金持ちや大企業もうまくいくということに、とっととみんなで気付くべきである。

 つまり、滅びゆく国ではビジネスはうまくいかない。




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