Erv's Letters index Text by Erv Yamaguchi


古い世代の優位性
2009年4月7日 11:48

ライスポを読んだ話(きたりんのエントリ)

 おおっ! どこで見っけたのか分からないが、きたりんがライスポを読んだらしいぞ! コングラッチレイション!

 まー、そんなことはどうでも良く(笑)、上記はいつもの“つかみ”だが、それはさておき、きたりんの言うことは正しい。

 そう、JSBに参加しているチームなどは、「ウン百万円もするフロントフォークをショーワから買ったら、これが大コケしたので、仕方なく、ウン百万円もするオーリンズのフォークを買った」とか、そんなレベルでマシンを作っている人達なので、言ってみれば、マシン作りに関しては、素材は歯ごたえのみで、全てはソースの味で決まるという、いわば“フランス料理戦略”をとっていると言える。

 これに対して、経済的なアフターパーツでマシンを仕上げなければならないプライベートパンピーサーキット野郎は、塩と醤油だけで、素材の良さを活かした“日本料理戦略”でマシンを仕上げる必要性がある為に、「本当にマシンの素性がいいのか?」あるいは、「マシンを買った後も経済的なのか?」を考慮する必要性が高く、その為のヒントは、きたりんが言うように、低い枝になっている果実を食べるかのごとく、自分に近い人達の利用度を観察した方が良いと言える。

 しかし、あたなもお気づきのように、世の中には必ず例外がある。そう、SBKやJSBやプライベートパンピーサーキット野郎共の両方が踏んではいけないという地雷が、そう、かの有名なカワサキである。つまり、兵器を作ることが得意なカワサキは、ついには、2輪において“地雷”を作ることにまで成功した訳だが、善良で貧しいライダーにとっては、はなはだ迷惑な話だ。(爆)

★ありがたい世代交代
 アメリカにおけるジューイッシュジョーク(金持ちのユダヤ人を揶揄した冗談)のように、カワネタの冗談が過ぎると、シニシズムを抱いたカワヲタの皆さんから、あまりありがたくないメールを頂いたり、サーキットで刺される可能性があるので、これくらいにしておきたいが、JSBの開幕戦では、予選すら走らなかったヘタレライダーを雇う(ゴルフ行ってたの?w)、つまり地雷が地雷を踏んだりしていると、その内、『漢』と書いても、“おとこ”とは読まず、“ヘタレ”と読まれることになるので、カワサキも注意した方がいいだろう。

 話を戻して、私が10代の頃は、空前のロードレースブームだったので、ワークスマシンに対する憧れはあっても、きたりんが言うように、自分が買うべきマシンは、ワークスマシンと同じ銘柄ではなく、やはりプライベートライダーの動向で考えるようにしていた。もっと言えば、メーカー直系のショップワークスが採用している銘柄すら、“マユツバ”といった調子だった。

 そうこうしていると、私はロードレースでプロのライダーになどなれないことを悟ったライダー達と共に、自分のアイデアでマシンを作って楽しむことが出来るシングルレースに参加するようになったのだが、皮肉なことに、そうした志向のライダーが増えたことで、シングルレースの方がかつてのSPレースのようになってしまい、SPレースの人口の方が激減してしまった。

 そして、シングルは新しいベースマシンが出てこないことから、こちらも下火になったり、レースの主催者が夜逃げしたりしている内に、ロードレース人口は激減していった。

 そして次にあらわれたのが、以前のロードレースブームには何の関係もない、SSを走らせる新しい世代だった。

 この人達は、世の中においてある程度稼ぎが良いというレベルのサラリーマンで、当然、プロのライダーなど目指していない。従って、レースで勝つことに対しても、昔の世代のような異常な執着心もないので、単純に自分の好きなバイクを買って楽しむことが出来る、ある意味で私の世代から見て羨ましい存在だと言える。

 従って、きたりんの言うことは正しいなどときたりんを持ち上げておきながら、上記はダブルスタンダードになってしまうかもしれないが、YZF-R1のクロスプレーン型クランクが凄そうだし、SBKではエロ坊主も活躍しているので、「これ買っちゃう?w」みたいな軽いノリで09YZF-R1を買ってしまったことが結果的に失敗になったとしても、むしろブログのネタ作りとして良しとなってしまう可能性も高い。そういった意味で、自虐的にワザワザパーツ供給などで苦労するカワ車を買うのも面白いと言えるワケだが、昔のサーキットだと、例えば1KTのTZR250が発売されると、サーキットはそれだけになってしまうとか、NSR250Rが良ければ、それだけになってしまうとか、そうしたレミング(ネズミの一種で、数が増加すると、海に向って集団自殺する)のごとく、一気に1車種に集中する状況よりかは、自らを犠牲にして、サーキットや、あるいはパブリックロードにおいても、車種のバリエーションの増加に貢献するライダーが増えることは、古い世代のライダーにとっては、自らの優位性が増すので、大変ありがたい状況と言える。(笑)




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