Erv's Letters index Text by Erv Yamaguchi


引き続きザット・メイクス・ミー・ピューク
2009年5月1日 12:31

2009年4月29日のきっこの日記

 内容の信憑性については、読者の自己責任で解釈して頂きたいが、私自身は、年間に168億円という民主党の10倍の企業献金を受け取っている自民党は絶対に支持しないので、次期衆議院選挙では、私の選挙区である東京5区にて、日本テレビの『太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。』の番組出演中に、新自由主義の生みの親とも言えるミルトン・フリードマンのことを、「素晴らしい経済学者」とのたまわった語った、単にコイズミチルドレンというだけでなく、筋金入りの新自由主義者の佐藤ゆかりには絶対に投票せず、対抗馬で、さして特別魅力はない、民主党の手塚よしおに投票するつもりだ。

 もちろんそれは、何度でも繰り返すが、選挙というのは、より良い政治家に投票するものではなく、“より悪くない”政治家に投票するものだという原則に従うからである。

 また、次期都議会議員選挙では、「石原慎太郎を都知事に選んだのは、東京都民ではないのか」などと、2輪業界保守論壇ホステスの小林ゆきに大口を叩かせないようにする為にも、三宅島モーターサイクルフェスティバルだけでなく、石原都政の欺瞞性を暴く為に精力的に活動している、共産党の清水ひで子都議と、そねはじめ都議を支持するつもりだ。

 また、逆説的には、石原の提灯持ちと言える、自民党と公明党の都議は、もちろん絶対に支持しない。


小沢民主党代表が執拗に攻撃を受ける理由(植草一秀氏のエントリ)

 何度も言うように、我が国だけでなく、全世界に害悪を撒き散らした、ネオリベラリズム(新自由主義)というイデオロギーは、昨年その欺瞞性を暴かれ、全世界的に現在は社会主義に傾倒しているが、それまでの民衆による社会主義アレルギーというものは、独裁者が統治するタイプの社会主義のことであり、みんなで話し合って決めていく分には、弱者救済は重要なことだと、“民主”社会主義に対しては、多くの人達が理解を示すようになってきている。

 また、ネオリベラリズム(新自由主義)は、何度も言うように、“イナゴ”の論理であり、金持ちが貧乏人から搾取し金持ちになっても、搾取する対象が少なくなれば、結局、今度は自分の首を締め出すということが、だんだんと理解されるようになってきている。

 つまり、経団連など、悪名高いトヨタとキヤノンなどの輸出企業が、自民党とメディアを金で操り、これまでは自らの優位性を増してきたというのに、中流層が貧困層に転落することでモノが売れなくなれば、結局は業績が悪化し、金が儲からなくなってくるという訳で、経団連の現状は、まるで自分のシッポに食らいついたヘビのようでもある。

 そう、竹中平蔵が言った、金持ちが更に金持ちになることで、その金が下の方にも降りてくるというトリクルダウン(おこぼれ効果)はウソだったことがすでに証明され、誰かが、とにかく自分さえ儲かれば良いという強欲を優先すると、最終的には、みんな死ぬ。

 しかし、「足るを知る」という言葉に代表される、本来の東洋の思想で考えれば、弱者を救済し、みんながフツーに暮らせる社会を目指した方が、ボリュームのある中流層が醸成され、その人達がモノを買うことで、泉のように湧き上がる“ファウンテン効果”が期待出来、そちらの方が経済が活性化することから、ある意味強欲という妄想に取り付かれた人達も含めて、むしろみんなが幸せになるという不思議なパラドックスがあり、何度でも紹介するが、デンマークなどの国では、すでにそれを本当に実現している。

 私が強く訴えたいのは、東京オリンピック招致や、三宅島モーターサイクルフェスティバルによる三宅島の復興支援などは、“経済効果”という美名で正当化されようとしているが、こうしたイベントが、単に国交省のバックの道路利権などに直結しているという問題を無視したとして、仮にイベントが成功して本当に経済効果があったとしても、その成功を享受できるのは、一部の金持ちだけで、儲かった金が、“たった今”、生活に困っているシングルマザーやホームレスの人達を助ける可能性はほとんどなく、石原都政は、オリンピック招致や三宅島モーターサイクルフェスティバルを推進する一方で、こうした弱者救済処置の予算はむしろガンガン削っている。

 そして、石原在任中に作った東京都の借金は、石原の任期が終わった後には東京都民に重くのしかかり、将来的には益々弱者が切り捨てられる可能性が高くなる。

 三宅島モーターサイクルフェスティバルにしても、イベントを成功させることで、さびれた離島の経済を活性化させ、観光産業を根付かせるという壮大だがリアリティーとして絶望的なアイデアが、5千万歩譲って5億年後あたりに実を結んだとしても、金が儲かるのは、民宿やお土産もの屋さんだけで、“たった今”、高濃度地区で暮らす明日生きるお金もままならない人達や、“たった今”、医療や福祉が必要なお年寄りや、未だ帰島できない1000人もの在京島民の方達の帰島対策に金が回ることは全くない。

 とてつもなく欺瞞に満ち満ちた、先日死亡した『クラブマン』誌は、「三宅島の人達はさみしがっている。だから、ライダー達が島に渡ることは素晴らしいことだ」と言った論調で、石原の提灯記事を書いていたが、そんな石原慎太郎は、事実上、石原が宿泊する為だけに作られた、稼働率が3.9%の、“ホテル並の”つくりになっている三宅島の施設の改修の為だけに、昨年1億円を使った。もちろん血税を。

 もしあなたが社会的弱者の生活にも想いを巡らせることが出来る、“人の上に立つ立場の人間”だったのなら、1億円という血税を預かったら、年収が1000万円の医者を10年間島に置く費用に充てるとか、あるいは、年収が300万円の介護ヘルパー33人を1年間島に置く費用に充てることを考え付くのではないだろうか? そうすれば、“寂しい”島民達も、1年に数日間小林ゆきに会うよりも、文字通り、365日間寂しい想いをしなくて済む訳だ。つまり、『クラブマン』誌に書かれた欺瞞に満ち満ちた記事を読んでいると、本当に怒りに震える。

 また、小林ゆきというジャーナリストは、イベント当日現場に集まった島民達が、“笑っていた”という目の前の現実だけを誇張して伝え、そのバックに渦巻く石原利権という巨悪に対しては盲目的なボンクラジャーナリストでしかない。

 あるいは、ボンクラを気取っているだけで、ひょっとしたら、産経新聞やテレビ朝日のように、権力側に媚びている確信犯的な売国奴の可能性もある。なんと言っても、ネオリベラリズム(新自由主義)によって甘い汁を吸った多国籍企業の利益の温床とも言える、悪名高いタックスヘイブン(租税回避地)の島、マン島に魅せられているくらいなのだから。

 ちなみに、先日私は、知り合いのバイクショップで、久々にマン島TTの映像を観たが、以前から思っていたように、安全が担保されたクローズドサーキットにて、限界を極めた走りをしているプロのライダー達の走りを日頃から参考にしているモーターサイクルスポーツファンとしては、素人はダマせたとしても、公道を走ることによりマージンを残しているその走りは、観ていてもライディング的には何の参考にもならず、それでいてワンミスで人が死ぬ訳なのだから、こうした公道レースを信奉し、更にはそれを我が国に輸入しようと考える公道レースカルトの人達は、私の考えでは、モータースポーツファンというよりかは、単に血に飢えた人達としか思えない。

 つまり、何10回何100回でも永遠に訴えるが、モータースポーツは、危険ではあるが、危険をもて遊ぶスポーツではなく、その為のヘルメットなり皮ツナギなり、安全性を考慮したクローズドサーキットがあるのである。従って、公道レースはモータースポーツではなく、ただの命比べであり、文字通り、ライダーイケニエ殺人レースでしかない。

 また、歴史が示す通り、ある国にネオリベラリズム(新自由主義)という猛毒のイデオロギーを注入すると、格差が拡大し、中小企業が連鎖倒産することで自殺者が増え、それまで中流層としてフツーに生活していた人が突然路上生活者になったり、「おにぎりが食べたかった」と言い残して1人で自宅で餓死する人も現れるという、つまり、建物は壊さないが人は殺すという結果になるので、ネオリベラリズム(新自由主義)というイデオロギーは、よく出来た中性子爆弾だと言える。

 そして、このネオリベラリズム(新自由主義)により甘い汁を吸った多国籍企業は、マン島などの租税回避地で利益を温存し、そのマン島では、ストレートに人を殺すライダーイケニエ殺人レースを開催している。つまり、間接直接に関わらず、美しい島の風景とは裏腹に血で染まったこの島のカルチャーを、あたかも素晴らしいものだとして我が国に紹介し、スキあればそれを輸入しようと考える石原慎太郎とそれを持ち上げる小林ゆきは、人類共通の敵と言える。

 しかし、小林ゆきが言うように、どんなに石原慎太郎や、あるいは自民党の麻生政権が弱者を切り捨てる悪政を行っていても、それを選んだのは、我々国民だという歯がゆい現実があるのも事実である。

 従って、国民の民度を引き上げ、セーフティーネットを充実させた、みんなで話し合いながら相互扶助社会を目指す民主社会主義的な国を作っていく為にも、まずは、ライダーにとって身近な問題である三宅島モーターサイクルフェスティバルというバカげたイベントを通じてネオリベラリズム(新自由主義)の欺瞞性を学び、更にもっと大きな巨悪を倒す為にも、これを読む皆さんには、我々の政治的関心の向上が重要だということに、是非、気付いて頂きたいと思う。




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