Erv's Letters index Text by Erv Yamaguchi


貨幣の限界効用の逓減
2009年5月27日 14:46

板橋の殺人放火 資産家宅には千両箱も

 今さっきテレビのワイドショーを見てたら、最近起きた、資産家の夫婦の殺人事件で、殺害されて亡くなった奥さんは、生前、3000万円の現金につまずいて足をくじいたことがあるとかやってて、今検索したら、↑のニュースがヒットした。

 ニュースだけをうのみにすれば、犯人はどうやら現金目当てよりも、怨恨の線が濃そうだとのことだが、それはさておき、現金につまずいて足をくじくとか、人間がお金を沢山持っても幸せにはなれないという風刺的な話で、まー、簡単に言うと、“貨幣の限界効用の逓減”というやつのことだが、お金持ちになると、自分の財産を守る為に、金庫を買ったりセコムを雇ったり、他人から妬まれたり恨まれたりと、色々と苦労も増えてしまうので、そこそこで“足るを知る”ことが大切、というよりも、“庶民が一番幸せ”という達観論も出てきたりする。

 ちなみに、私は東京の青山という、お金持ちが多く住む地域で生まれ育ち、私自身も親が自営業者だったので、フツーのサラリーマンの家庭よりかは比較的裕福な幼少時代を過ごしたが、同級生には、私の裕福さなど子供のたわごとと言った、頭に超がつくお金持ちの子供ばかりがいて、クラスの中にスネ夫がいっぱいいるという、通常では考えられないような環境で育ったのだが、そんな元々家がお金持ちという人達とは別に、90年前後には、それまでフツーの暮らしをしていた人がバブルによりお金持ちになってしまい、いわゆるバブル景気により、日本全体がイージーマネーユーフォリア(あぶく銭陶酔症)にかかってしまうという状態になったこともあった。

 私自身はと言うと、幼少期の裕福さは、16歳で親から独立した際におさらばバイバイしちゃって、そこからはむしろ貧乏生活が長いのだが、22歳前後のバブル景気の頃には、自分自身がお金を持ってなくても、街自体がなんだか浮かれていたので、バブルのおすそ分け的に、私自身も浮かれていた。

 これを読む若い方は、90年前後のバブル景気の時は子供か、あるいは生まれてなかった為、バブル当時の街の浮かれた様子は知らないという方もいるかもしれないが、当時は、“金箔巻きの寿司”とか、“犬用のミンクのコート”とか、ほとんどデタラメ的な消費に日本全体が浮かれていた。

 また、当時のバブルは、いわゆる“土地神話”にもとづき巻き起こった訳だが、床屋談義にて、「東京23区を売ればアメリカが買えるんだから、こんなちっぽけな土地はとっとと売っちゃって、アメリカ買っちゃった方がよくなくね?」と誰かが言うと、「いやいや、そんなことすることないよ、千代田区売ればカナダが買えるwww」などと話していたものだ。

 しかし、現在の若者は、いわゆるセレブ文化に対する嫌悪感から、アンチセレブ志向も高いようだし、物欲番長チックな我々の世代の人達の消費行動に対して何のシンパシーも持たず、クルマやバイクに対する所有欲などないどころか、むしろ無駄な消費として蔑んで見ているというフシすらある。

 逆に、我々の世代は、「やっぱ男の子はクルマかバイクっしょ!」みたいな、古き良きというよりかは、エコロジストからすればいい迷惑な思考をいつまでも背負っているので、2輪業界もこの人達がメインのターゲットとなるのもいた仕方ないとも言える。(残念ながら私もそれで生計を立てている)

 しかし、正直に告白すれば、商売人として思いっきり天に向かってツバする発言だが、現在のクルマやバイク離れした若者の方が、人間としては数倍優れていると私は思う。

 但し、もちろんそれはタテマエで、個人的には、別に“優れた人達”と仲良くしたい訳ではなく、いつまでもバカっぽい消費を繰り広げるバイク乗り達の方が、お友達としては相応しいと考えてしまうのが、私の人間としての愚かしい側面で、バブル時代にこの身に打ち込まれた麻薬の禁断症状だと言える。(笑)




★オマケ

バブル時代の金持ち






Money Changes Everything


 ↑は、我々の世代には親しみ深いシンディー・ローパーの、『マネー・チェンジズ・エブリシング』。歌詞は、♪あなたとは永遠の愛を誓ったわ、でも、お金が全てを変えてしまったの♪みたいな内容だったような気がするが、間違ってたらメンゴ。




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