Erv's Letters index | Text by Erv Yamaguchi |
不要な打ち上げ花火 | ||
2009年6月20日 11:16 | ||
ネオリベラリズム(新自由主義)を世界にばら撒いた前科を持つアメリカでは、独立記念を祝う花火大会が次々と中止になっているという。 オハイオ州のエリリア市では、600万円の予算削減で花火大会を中止したようだが、エリリア市は、すでに100人以上の職員をリストラしたし、仕方がない決断だとしている。 また、カリフォルニア州のモンペロ市でも、400万円の花火大会の予算を削減し、その予算はホームレスなどの食事代に回した。 ネオリベラリズム(新自由主義)の生みの親とも言える国ですら、こうした“打ち上げ花火”よりも、ホームレスの支援などに公費、つまり血税を回しているというのに、東京都の石原都知事は、今年も参加者が数十人しかいない三宅島モーターサイクルフェスティバルに“億単位”の金を注入するのだろうか? するだろう。自身のメンツの為に。 しかし、三宅島モーターサイクルフェスティバルの“数億”という、実際には巨額な金もかすんで見えてしまうような巨額な血税を投入しているのが、東京オリンピック招致であり、環状道路の建設などがからんでいるだけに、下手をすると“兆単位”の金が動くことになる。 そして、このオリンピック招致にて、これまた石原のメンツと利権の為に血税が投入され、東京都の弱者は切り捨てられていく訳だが、石原が弱者になど何の想いも抱いていないという証拠は沢山ある。 あまりにも沢山有り過ぎて、資料を揃えるのすら重労働だし、どれから紹介していいかも分からない程で、その為にキーボードを打つ気力も萎えてしまうのだが、東京都民の目を見開かせる為にも、その片鱗だけでも紹介しよう。 まず、石原慎太郎が知事に就任した直後に放った言葉として有名なのが、「何が贅沢かと言えば、まず福祉」という言葉がある。 実際、この言葉にウソ偽りはなく、石原は本当に福祉をカットしてみせた。↓は、カットした主な項目。
この結果、特養ホーム待機者は4万人に増加し、入りきれずに地方に住むことを与儀なくされたお年寄りは数千人にものぼった。 ちなみに、群馬県渋川市の特養施設たまゆらで焼死した高齢者は、大半東京都墨田区からの追い出され組で、職員は、手が足りず、寝たきりの人に食事を置くだけで、老人達を3ヶ月に1度も風呂に入れなかった。 また、医療においても、東京オリンピック招致の為に、国際オリンピック委員会に提出したファイルによると、「東京には医療体制や医療スタッフなどすべての面において、世界的にも最高水準の医療体制が整っている」と書かれているが、石原は『都立病院改革』にて、16あった都立病院を半分に減らす計画を立てている。病院の“たらい回し”で死亡する人が増えているさなか。 また、教育においては、少人数学級を実現していないのは東京都だけで、今年減らした予算である133億円を復活させるだけで、小学校低学年の30人学級はすぐに実現できると言われているが、石原のメンツだけで招致活動しているオリンピックの為の環状道路の事業費用は8142億円となっている。 計算してみよう。つまり、道路を作るのには1メートル1億円かかるとして、740メートル削るだけで老人福祉が実現でき、133メートル削れば30人学級も実現できるのである。 道路や“打ち上げ花火”など、本当に必要なのだろうか? ★チェック機能 メンツと利権のみで都民の血税を自分の金のように使い、文字通り都政を私物化している石原慎太郎は、私を含めた都民が汗水流して働いて稼いだ金を巻き上げてファミリー旅行を楽しみ、高級料亭で飲み食いし、無職の息子に仕事をあてがったりしている。 果たして、こうした独裁者をチェックする人達はいないのだろうか? いる。それが都議だ。 しかし、この独裁者をチェックすべき都議達の中で、自民、公明、民主の31人は、6回海外視察に出かけているが、その費用は1人平均189万円で、報告書はパンフレットの丸写しである。 ※参考資料 都議会海外調査の驚くべき実態−海外調査は中止し再検討すべき (バスを使えば4人で2,240円で済む所を、専用車使って交通費に24万円ですよ奥さん) 私は、次の都議会議員選挙では、これを読む東京都民の皆さんには、是非とも自民、公明、民主以外の都議に投票して頂きたいと考えているが、民主がなぜ弱いかというのが浮き彫りになったのが、1400億円の血税をドブに捨てた新銀行東京の問題で、自民、公明が“クチキキ”(自分の選挙区の人達に融資の斡旋をする)を行ったのは当然として、民主もクチキキを行っていた為に、議会で石原に反対して立ち上がったのは、共産党の都議だけだったからだ。 私はこれまでの人生で、共産党になどそれほど興味もなく、若い頃はむしろフツーに共産党アレルギーもあったが、昨年は、三宅島モーターサイクルフェスティバルの欺瞞性に関して、共産党の都議の方達の活動を通じて多くを学んだので、石原の欺瞞性を暴くことが出来るのは、共産党しかいないと現在は強く考えている。 従って、私自身は、今度の都議選では、迷わず共産党の都議に票を入れるつもりだが、これを読む東京都民の中で、未だ共産党にアレルギーがある人は、少なくと自民公明には投票せずに、民主党や社民党推薦の都議に投票して頂きたいと思う。 石原が独裁者を気取っていても、都議がそれをチェックできれば、まだマシな行政になると思うが、その都議が石原とズブズブの関係にあるのでは意味がない。とにかく、弱者切り捨ての独裁者の悪政に少しでもブレーキをかけなければ、東京や、しいては日本に未来はないと言える。 ★若い人達への期待 昨夜たまたま見た『報道ステーション』という番組にて、年越し派遣村の村長として有名な湯浅誠氏が出演していたが、ホームレスの人達の人数は倍増していて、炊き出しの米が足りなくなっていると語っていた。 自分の国でこうしたことが起きているというのに、我が国のトップは、国営マンガ喫茶に117億円を投じる決断をし、石原都知事は、オリンピック招致の為にスイスに東京のPRに出かけたりと、日本や東京のトップは、頭上の打ち上げ花火にしか興味がないようで、足元の国民生活は永遠に無視している。 しかし、さしあたって生活に困っていないという大量消費大量廃棄の権利を有している高級奴隷たる中流層より上の層の人達は、引き続き政治にも選挙にも無関心を決め込むのかもしれないが、そうした人達は仕方がないとしても、正社員にもなれないような若い人達は、そろそろ本気を出して行動しないと、正に将来は“おまんまの食いあげ”となるので、是非、選挙に行って頂き、ネオリベラリズム(新自由主義)を推進する政治家を、選挙後はニートにして頂きたいと思う。 なぜならば、今ひきこもりが必要なのは、若い人達ではなく、欺瞞に満ち満ちた政治家の方だからだ。 |
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