Erv's Letters index | Text by Erv Yamaguchi |
SHOEI's Report 第53期到着 |
2009年6月30日 11:51 |
持ち株と持ちマスクチェック(ですます調) 『感動創造企業』らしい、“感動的な”硬直化ぶりを示す、1830億円もの借金を抱え、今年420億円の赤字を出すというのに、特に改革らしい改革もせずに旧態依然としたバカけだヤマハのような企業になどわき目もふらず、無借金で、収益性に富む、ヘルメットを販売する皆さん御存じのSHOEIの株を、すでに↑にてカミングアウトしているが、昨年のリーマンショック以降、“お父さんのお小遣い程度”の金額で私はチビチビと買い進めている。 すると先日、そのSHOEIから株主の私の元に、アニュアルレポート(年次報告書)が届いたのだが、それを読み、私は株主重視のSHOEIの姿勢に対して、改めて感銘を受けた。 その感銘を受けた部分というのが、『SHOEIの行動指針』という中の10番目にあった、「本社建物、役員専用車等当社業績向上に直接には寄与しない資産」を保有しないという部分で、これだけ株主重視の経営をしている企業は珍しいので、私はSHOEIの株を長く保有しようと更に強く思った。 投資家や、あるいは上場している企業の経営者の間でよく言われることだが、企業が立派な本社ビルを建設すると、業績が傾くというジンクスがある。 しかしこれは、何も抽象論ではなく、株主にしてみれば当然のことで、本社ビルなど直接利益を生まないし、1つ確実に言えることは、その企業は、株主に還元すべき利益の一部を、本社の建設費に使ったということで、こうしたことをする企業は、今後の業績の悪化を暗示させるのに十分な証拠を示したと言える。 しかし、SHOEIはアニュアルレポートにまでハッキリと、そうしたバカげた資産は持たないと表明し、更に、2年前までは約30%だった連結配当性向を、今年以降は50%を維持していくとも表明していて、全てにおいて、株主に対する利益還元を経営の重要課題として位置付けている。 正にエクセレントだ。 ★プロシップ ついでなので、SHOEIと同時期から買い進めている、プロシップという、法人向けの会計ソフトを売っている会社についても紹介しよう。 こちらの会社の社長は、珍しい女性社長なのだが、私が企業に投資する時には、まずはその企業の成長性や株価の割安度などを自分で作ったエクセルの表で計算し、成長企業なのに、ミスターマーケットの過小評価により株価が割安で放置されている銘柄をまず見つけ出し、かと言って、見つけ出したら即買うという訳ではなく、その企業の社長が、株主重視の経営をしているかどうかをチェックして、“経営者を好きになった場合のみ”、私は初めてその企業に投資するようにしている。 もちろん、ヤマハのようなバカげた社長がいる企業になど私は絶対に投資しないが、前述のSHOEIに続いて、私がプロシップの株を買いたくなったのは、次のエピソードを読んだからだ。 プロシップ社長へのインタビュー記事 ↑のエピソードの最後にあった、『My favorite』(私のお気に入り)にて、↑の計算機について社長の川久保真由美氏は、「15年以上も愛用しているカシオ計算機製の電卓。型番は「JS−25」。当時、「メモリが大きい」ことが気に入って約6000円で購入した。会社内の会議には必ず持参し、事業計画を練っている 」と語っている。 いいかね、まがりなりにも社長は女性だというのに、メモリがデカいという理由で、フツー、こんなオッサン臭い計算機など使うかね?(笑) つーかそもそも、上場企業の社長の『My favorite』(私のお気に入り)が、15年以上愛用しているこんな地味な計算機なのかね?(爆) 私はこのエピソードを読んだ時、この会社の社長が社用ジェット機や専用リムジンを購入することは絶対にないだろうと思い、この企業に投資することに決めた。 という訳で、投資家の視点で企業を見つめるようになると、豪勢にやっている企業に対して懐疑的になってくると同時に、本当に素晴らしい企業が、どこにコストをかけるのかが分かってくるので、そうした意味でも、皆さんにも株式投資を是非お勧めしたいと思う。 注:いつものお約束ですが、投資は自己責任で。 |
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