Erv's Letters index | Text by Erv Yamaguchi |
物欲番長VS昭和妻 | |||
2009年8月23日 23:17 | |||
先日、いつも行っているスポーツジムにて、一休みしている時に何気なく手にした雑誌に、“昭和妻”なるものの話が書かれていた。皆さんはこの“昭和妻”なるものをご存じだろうか? 斜め読みだったので、正確さに欠く私の印象だが、“シンプル族”を標榜し物欲がほとんど無いような若者達と違い、どうやら私のようなバブル世代のアラフォーの野郎共が、いつまでも「男の子はやっぱクルマかバイクだ!」みたいな物欲番長ぶりを示すことに対する、女バージョンの呼称のようで、旦那の稼ぎでいかに贅沢な気分を味わうかが価値観の全てで、「大根が安い」と聞いてクルマで買い物にでかけてしまうような、デタラメな経済観念を持っていることも特徴的な奥さんのことを揶揄しているようでもあった。 まー、タイトルそのまんまで、男も女も、アラフォー世代は似たようなもんで、どっちも買い物依存症チックな悪癖が、他のどの世代よりも前面に出ている調子なので、特にアンチセレブな価値観を持つ若い世代からは、我々が団塊の世代を忌み嫌っているように、今度は我々がそのバカっぷりを若い世代からバカにされる番なのかもしれない。 まーそれならそれで良しとして話を戻すと、アラフォーの野郎共の中には、昭和妻に寄生されることで人生を棒にふった人も多いことだろう。共働きしてくれる女を見つけられず、御苦労なことだ。 しかし、自らのキモメンやブサメンが幸いして、非モテという天がこの時代に与えてくれた素晴らしい資質に助けられたおかげで、自分が稼いだ金は全額自分の好き勝手に使えるという幸せ満開調な野郎共も多いことだろう。特にこれを読む読者の中には。やったー! 非モテ万歳! キモメンやブサメンのあなたに拍手! そして、そうそんなあなたは、存分に物欲番長ぶりを発揮して、ティーンエイジャー(10代)の頃からバイクに目覚め、峠やサーキットなんかに通っていたことだろう。 私自身、16歳でバイクに乗り、17歳の頃にはすぐにサーキットに通い始めたのだが、私が通っていたツクバサーキットには、パドックに行く途中のトンネルの所に、たしか『GET TO THE WIN』といった、バカみたいに陳腐な言葉が書かれていて、私はこれを見て、17歳の少年ながらに赤面したものだが、しばらく経つと感覚が麻痺したのか、この言葉になんかシビれるようになってきた。それどころか、しばらく通い出すと、この言葉に感動して涙ぐみながらタイムアップに精を出し始めたのである。なけなしの小遣いをほとんど注ぎ込んで。 そして、昭和妻達のこの頃は、ディスコのお立ち台に乗ってセンスを振ったりする毎日だったようだが、メシ代とかタクシー代とか、全部男に貢がせていたので、結婚した後もその習慣がなかなか抜けないのだろう。 ようするに我々アラフォーは、バカみたいに金を使うことが主な価値観という、大変不幸な世代なのだが、それは未来の歴史家達がそう言ってるだけで、本人達はいたって真面目にバブル文化が幸福の象徴だと思っているフシがある。 え〜と、ここから先は、バブル文化を肯定的にも否定的にも書けるけど、あなたのリクエストはどっちだい? そうかそうかやっぱり。あなたのバイクの盆栽ぶりを見ても、肯定的な文章がお望みだということはよく分かるよ。では、自分の商売の為にも、思いっ切り肯定的にいかせてもらおう。 とにかくなんか買え。おわり。
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