Erv's Letters index | Text by Erv Yamaguchi |
ロングノーズ・ショートデッキ信仰 |
2009年8月28日 23:53 |
私はタテマエでは一応2輪志向の人間だが、ホンネで言っても、バイクでフルバンクの味を味わってからは、ヨツワ(4輪)に対してほとんど何の興味も無くなったのだが、『湾ミ』の映画の予告編を観てあらためて思い出すと、私は元々ヨツワのZが大好きで、19歳の時にバイクから1度降りた時に生まれて初めて買ったクルマが、S130型のZだった。 ↑は、原宿で撮った当時の愛車のショット。 ところで、当時の私は若かったので、S30型はあまりにも硬派過ぎなので、もうちとナンパな感じのS130型が好きで、こちらの型を買ったのだが、友人からは、「おまえバカじゃないの!? なんで2シーターなんか買ってんだよ! これじゃーナンパしに行ってもネーチャン乗せられねーじゃねーか!(怒)」というお叱りを受けたのだが、2シーターどころか、私は購入後に内装と共に助手席(笑)も取っ払ってしまっていたので、シングルシーターでこのZを転がしていた。(F-1かよっ!w) ちなみに、この頃は同時に4輪のチューニングショップでボーリング工としても働いていて、シノハラのドラッグZとかのボーリングとかも手掛けていたのだが、今ネットで検索しても出てこないので、現在はこのチューニングショップは無くなってしまったのだろうか? しかし、その後成人してからは、130は軟弱な感じがして、やっぱS30Zの方が全然クールと思うようになってきたが、結局2輪の世界にのめり込んだので、S30Zは未だに購入していない。 だが、死ぬまでにS30Zを1度購入したい気もするが、GTRを新車で買うくらいのお金を用意しないと、納得できる状態では乗れないと思うので、今だったら、よっぽどお金持ちにならない限り、苦労して旧車を転がすなんてことはしないだろう。 でも、妄想するだけならタダだし、ネタもないので、バイク乗りには退屈かもしれないが、たまには4輪のことでも書いてみよう。 さて、19歳当時の私は、4輪の雑誌である『CARBOY』熟読少年という感じだったのだが、私は元々根性論的なメカチューンが大好きだったものの、当時はターボのチューニングがガンガン突き進んだ時で、『湾ミ』に出てくるS30ZのL28改ツインターボなんてーのの、元ネタとなるようなチューニングマシンがガンガン出てきた時だった。 ちなみに、バイク乗りならバイクのエンジンを思い浮かべてもらえればいいのだが、通常のエンジンは、クロスフローという、エンジンをはさんで吸気側と排気側が左右(バイクは前後)に分かれるシステムなのだが、このL型というエンジンは、何を血迷ったのか、ターンフローという、キャブの下にエキパイがあるという、「パーコレーションしちゃってください」という設計で、それにタービンなんかつけようものなら、更にチューナーは苦労するというシロモノ家電だった。 あとL28は、φ89のピストンにLD28というディーゼルエンジンのロングストロークのクランクを組むことで、3.1リッターの排気量になるのだが、玄人好みなノリで、φ89のピストンにショートストロークのL24のクランクを組んで、L28改L28ショートストロークなんていうエンジンを作る人もいた。 ちなみに、硬派なビーエム乗りなどに多い感じで、ストレート6というのは、シルキーシックスと言って、理論的に1番スムーズに回るエンジン形式なので、私などはこのL28改L28などの通なエンジンに強烈に惹かれるものがあった。 まー、色々と話をすればマニアックに色々語れるのだが、現実問題としては、前時代的なL型エンジンよりかは、一気にRB(DOHCの直6)とかにスワップした方が全然ラクだとは思うが、S30ZにRBをスワップしちゃうお店も実際あるようなので、4輪の人達の方がチューニングという意味では、層が厚いと言わざるを得ない。 そう言えば、L28にφ89のピストン組むに当たって、ニッサンのFJ20という、DOHC4気筒のエンジンのピストン流用という手もあったが、FJはバルブリセス(バルブが当たらないようにする為のピストンヘッドの逃げ)が4つあるのに、Lは2つなので、FJのピストンヘッドにL用のバルブリセスを追加工すると、バルブリセスが6個になってしまうと言った話を、先日のTOT(テイスト・オブ・ツクバ)のスーパー・モンスター・エヴォで優勝したテクノオート代表の高橋さん(優勝おめでとうございます)に話したら、「マニアック過ぎwww」と、プチうけてもらって嬉しかった。(高橋さんいわく、“バルブリセス”なんて言葉を知ってる人などいないとのことだったw) え〜と、エンジンの話はマニアック過ぎて誰もついてこないような気がしたので、素人衆にウケが良いと思われる、スタイリングの話にしてみよう。 そう、私がZが大好きなのは、そのスタイリングが“ロングノーズ・ショートデッキ”だからだが、Z以外で乗りたいと思わせるスタイリングのクルマは、せいぜいコルベット・スティングレイくらいと言った調子で、最近はこの“ロングノーズ・ショートデッキ”のクルマがほとんどなくなってしまった事も、個人的にクルマに対する興味の減退に拍車がかかっている。 新しいフェアレディーZ なんだコレ。「“ロングノーズ・ショートデッキ”と5万回くらい復唱してから設計しろボケ」と言った調子だ。 やっぱ、新しいZなどを見ても、どう見てもS30Zの美しいフォルムには全然かなわない感じなので、『湾ミ』のような非現実的な物語が支持もされるのだとも思うが、『湾ミ』と言ったら、やっぱメカ派的には北見チューナーが全てで(笑)、『湾ミ』に限らず、『バリ伝』の島崎チューナーとか、メカ派の人間が涙ちょちょ切れるようなセリフがこうした物語にはガンガン出てくるので、この辺りにも“楠みちはる”や“しげの秀一”の世界観に対して、男の子達がクラクラきてしまう要因があるのだとも思う。 ひょっとして俺だけか?(笑) CARBOY@GARAGE-BACKBONE という調子で、なんとなく『CARBOY』で検索して↑のページを発見したのだが、なんか20数年前に『CARBOY』を熟読していた頃を思い出し、ノリは全然変わってないので、別に4輪のチューニングの世界に戻る気などないクセに、なにか嬉しかった。(写真が5MGのXXなのもイイw) という訳で、あまりウケがよくないと思われる4輪のチューニングの話をしてみたが、2輪の世界では、最近のSSを買ってしまえば、特別チューニングのことなど考えず、ただ単にひたすら走り込んだ方が楽しいという感じで、エンジンを中心としたチューニングの世界で言えば、4輪に近いノリなのが、カワのニンジャ系のエンジンだと思う。 そう、カワというのは、エンジンの基本設計を変えずに末長く利用するという傾向が強いので、ニンジャ系のエンジンを乗せたバイクに乗っている人は、このエンジンを色々とイジったり、スワップしたりと、まるっきり4輪の『CARBOY』ノリの人達が多いジャンルで、私はあまり“お近付き”しないようにしているものの(笑)、この人達にはこの人達の独特の世界観がある。 あと、私が好きなジャンルである、ジャーマンストリートファイターというジャンルでも、海外では、油冷のGIXERがベースになることが多いので、こちらはこちらで、油冷のエンジンを色々とイジったりスワップしたりして楽しんでいる。 日本においても、私のように89年前後のシュワが好きな人など、油冷のGIXERに思い入れが強い人が多いので、いつまでも当時のGSX-R1100やGSX-R750にこだわる人が多いが、日本人は基本的に正統派が多いので、どのジャンルだろうと、生徒会長ライクな仕上がりの“マシン”(若い人達から小バカにされるフレーズw)が多く、特に雑誌関係に登場するバイクは、みんな竜宮城ライクなので、もっと硬派っぽく走りを優先した現場のマシンを見たいのだが、峠は峠で小僧チックな人達に占領されているので、例えば4輪で言えば、S30Zとか箱スカとかB310のサニーとかでフェンダーをブラブラさせて攻めているような、硬派チックなノリのバイク乗りバージョンとかにはなかなか出会えない。 もちろん、ヒキコモラーの私が知らないだけで、世の中は広いので、アンダーグラウンドの世界ではきっと、ニンジャ系や油冷エンジン積んだマシンで走りを優先した硬派なライダーも少なからず存在するのだと思うが、『ライクラ』みたいなクソヘタレ雑誌とか、『ロードライダー』誌の竜宮城みたいな世界観しか素人の人達は触れないので、イジって走る硬派な走り屋や、30〜40代位の北見チューナーみたいな世界観のメカがいる、雑誌広告出す金なんて絶対ないような弱小バイクショップを応援したいと思う今日この頃である。 と、言いつつ、自分自身は走りとは全然関係ない商品売ってメシを食っているこのダブルスタンダードっぷりが自分でも笑える。(核自爆) まーでも、北見チューナーが女子高生のチャリンコイジるみたいな調子で、それはそれで大目に見て頂くとして、更に言えば、生徒会長ライクな正統派のカスタムマシンに対して、キワモノカスタム車でカモる快感というのも、超ニッチなバイクの楽しみ方なので、その辺りをタテマエかホンネにして(どっちやねん!w)頑張るとしよう。(笑) あ〜あ、油冷GIXER乗りが安上がりにキャスター立たせられるようにハイアップキットの販売を始めたのに、結局他車のローダウンキットが売れ筋で歯がゆいっすよ。(爆) ↑は、リヤの車高上げた人向けに仕入れようとまで考えていた、ドイツ製のGSX-R1100/750用のロングのサイドスタンド。俺が油冷GIXER買ってSSカモる時には、リヤの車高上げてこのスタンド使うとしよう。(笑) ハイアップキットのお求めはこちら |
|