石原独裁の崩壊 都議選惨敗 2009年7月17日 10:17 |
石原独裁の崩壊 都議選惨敗(日刊ゲンダイ2009年7月13日掲載) これで石原都政もオシマイだ。都議会は民主党が第1党に躍進しただけでなく、石原が頼りにしていた与党の自公が過半数割れ。今後は石原知事の進める政策に対し、民主党の徹底反対が予想され、石原は議会運営で立ち往生させられることになる。 真っ先にヤリ玉に挙げられるのは「新銀行東京」と「築地市場の豊洲移転問題」だ。どちらも民主党が都議選のマニフェストで「NO」を掲げていた。 金融ジャーナリストの小林佳樹氏はこう言う。 「新銀行東京は清算されることになるでしょう。民主党の金融対策チームは、新銀行東京に残された選択肢は、譲渡か清算の2つしかないと判断しています。しかし、この経済状況で、譲渡先を探すのは至難の業。清算しても、融資先の顧客は、都の制度融資や既存の金融機関に振り分ける形にすれば影響はありません。金融庁もすでに、清算や免許返上の可能性を想定して準備しています」 さらに民主党は、「新銀行は、失敗の原因が明らかにされず、誰も責任を取らないまま」と批判しているから、都議会に新銀行関係者を参考人として呼ぶなど、石原本人の設立責任も追及されるだろう。 築地市場にしても、猛毒の検出された土地に移転することを都民は望んでいない。共産党も反対しているから、議会で反対は半数を超える。 「新銀行と築地移転が暗礁に乗り上げ、候補となっている2016年の東京五輪も『世論の支持が低い』ということで10月に落選。そうなったら、石原知事は完全に死に体です。場合によっては任期途中で放り出してもおかしくありません」(都政関係者) 石原は告示後、5日から最終日まで毎日、与党候補の応援に入り、自分の選挙ではほとんどしない有権者との握手までこなす焦りようだった。ところが、結果は、自民党都連の幹事長も務める都議会のドン(内田茂・千代田)と、都議会自民党のまとめ役だった幹事長(高島直樹・足立)の2人が揃って落選。石原にとって最悪のシナリオとなった。 自民の大惨敗で、石原ワンマン都政の終わりが始まった。 |